■連載/阿部純子のトレンド探検隊
ガシャポン史上最大サイズ「90mmカプセル」も登場!
1977年にカプセルトイ市場に参入し、今年で47年目を迎えたバンダイの「ガシャポン」。2022年から2023 年にかけて、カプセルトイの市場規模は約 2 倍と急成長を続けており、ガシャポンはカプセルトイ市場55%とトップシェアを占めている。
2022年に8月8日がガシャポンの日として記念日制定されたことにちなみ、「8月8日はガシャポンの日!」PRイベントが開催された。
100円玉を使用するイメージのカプセルトイだが、現在は決済方法の幅も広がっており、電子マネー対応自販機「スマート ガシャポン」、現金、キャッシュレス決済どちらも対応可能な「ガシャポン ステーションW」、高価格商品に対応した「プレミアム ガシャポン」、最大 A4 サイズ、厚さ1cmで販売可能な「フラット ガシャポン」と、形状にとらわれない新たな自販機を市場に投入している。
「自販機だけではなくカプセルも進化しています。2015年にはカプセル自体が商品の一部になる『カプキャラ』が誕生。カプセルレスによりエコを実現するだけでなく、これまでにないユニークな商材でユーザーに驚きを与えることに成功しました。
2021年には『79mmカプセル』が登場し、プレミアム ガシャポンで展開。2021年には業界初となる、回収した空カプセルを原料の一部に使用した『リサイクルエコカプセル』をスタートさせました。
本日は2つの新しいカプセルを発表します。ひとつめがガシャポン史上最大サイズのカプセル『90mmカプセル』です。これまでの最大サイズだった79mmカプセルサイズと比較すると、直径は約11 mm大きく、容量は約 150%アップしたことで、カプセルトイの常識を超える、超ビッグサイズ商品の提供が可能となりました。
90mmカプセルは『ガシャポンステーションⅡ』という新型の自販機で販売します。48mmから90mmまで多様なサイズのカプセルの払い出しが可能で、様々な種類のガシャポン商品を1台で提供することができます」(株式会社バンダイ 執行役員 ベンダー事業部 ゼネラルマネージャー 滝口雄介氏)
90mmサイズカプセルのラインナップは、8月発売「星のカービィ ぷにぷにし隊」(400円)、「いきもの大図鑑アドバンス ゾウカブトとヘラクレスオオカブト」(1500円)、9月発売「ポケットモンスター 組立可動!コライドン・ミライドン」(800円)、「ちょっとおおきなおばけさんおおきなソフビこれくしょん!」(400円)、10月発売「機動戦士ガンダム MS メカニカルバスト DX ユニコーンガンダム」(800円)、「おジャ魔女どれみ カプセル ポロンケースコレクション」(600円)、11月発売「Disney ディスプレイフィギュア」(1000円)を予定している。
もうひとつの新カプセルが炭酸カルシウムを使ったエコ素材カプセル「グリーンカプセル」。炭酸カルシウムを使用することで、プラスチックの使用量が従来比で半分に抑えられている。グリーンカプセルを使用した「パックマン めじるしアクセサリー」は今秋より販売予定。
「8月8日 ガシャポンの日」を記念した取り組みとして、8月8日を記念日とする“同志”である、「ブルーベリーアイ」でおなじみのわかさ生活と、家庭用ロボット「LOVOT」のGROOVE X と共に「8月8日を盛上げ隊」を結成。店頭とオンラインを横断したコラボキャンペーンを展開。
各社のガシャポンも登場し、「まちぼうけ ガシャポンの場合」「わかさ生活 ミニチュアチャーム」「LOVOT[らぼっと]めじるしアクセサリー」を8月第2週から順次、全国の玩具売り場・量販店・家電店などに設置されたガシャポン自販機シリーズにて販売する。
昨年の初開催では3919件の応募があった、ガシャポン商品のアイデアコンテスト「ガシャポン ドリームコンテスト」を今年も8月31日まで開催中。今年は「未来のガシャポン」をテーマにガシャポンの商品アイデアを募集している。
今年はUnder12のキッズ部門も新設。8月8日にちなんで最優秀賞の賞金は88万円。ゲスト審査員に、テレビCMで「ガシャポン先生」を演じている斎藤工さん、夫婦で絵本作家のtupera tupera(ツペラツベラ)さんを迎える。
イベントにも参加した、「ガシャポン先生」こと斎藤工さんはガシャポンの魅力についてこう話す。
「お世話になっている映像制作会社の入口にガシャポンが設置してあって、撮影現場のような緊張感のあるような職場でも、ガシャポンがあると和やかな雰囲気になる魔法の効果があると感じました。
メイクさんや小道具さんなどスタッフの方々が、バッグにガシャポンのストラップを着けているんですよ。気候やスケジュールといった厳しい環境にある撮影現場に、ガシャポンがあればリラックスできて相性がいいと思うんです。撮影現場に作品にまつわる製品なども混ぜ込んだガシャポンを設置するというのはいかがでしょうか。
何が出てくるかわからない、回す時間やワクワク感こそがリラックスできるので、撮影現場だけではなく一般の企業にもおすすめしたいですね」
「ガシャポンは1993年に初の海外進出を果たして以降、アジア圏を中心に欧米各国でも事業を展開しています。現在、ガシャポンの海外のオフィシャルショップは12のエリア・地域で店舗を展開しており、国内外問わずガシャポンファンの拡大に努めています。
『ガシャ』と回すと『ポン』と出る、日本で生まれたエンターテイメント『ガシャポン』を、これからも世界中の人々に届けていきます」(滝口氏)
【AJの読み】進化を続けるカプセルトイ「ガシャポン」
1977年、当時20円の自販機が主流だったカプセルトイ市場に、バンダイは異例の100円機で参入した。現在では、電子マネー対応自販機「スマート ガシャポン」やインターネットでの商品購入が可能な「ガシャポン オンライン」も展開している。
50年近くに渡り、多彩なキャラクターと時代のトレンドに合わせた豊富なラインアップを商品化してきたガシャポン。今回発表された「90mmカプセル」は手にしてみるとその大きさが実感できる。
90mmカプセルの大きさをいかんなく発揮できるブランドが、2021年から展開中の「プレミアムガシャポン」。600円~2500円までの高価格帯で展開しており、従来は500円だった価格の上限が2500円まで上がったことにより、商品ボリュームを大きくし、ギミックを盛り込むなど、今まで実現できなかった高級感のある高付加価値商品の展開が可能となった。
90mmカプセルで8月発売の「いきもの図鑑」のゾウカブト(プレミア ガシャポン)は大迫力で、これが出たら子どもじゃなくてもテンションが上がりそう!
訪日客にも大人気で、いまや子どもだけでなく大人も楽しめるカプセルトイ。これからも進化は続いていきそうだ。
取材・文/阿部純子