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航続距離は何と756km!アウディが新型EV「A6スポーツバックe-tron」「A6アバントe-tron」を発表

2024.08.10

アウディの「A6 e-tronコンセプト」が、革新的な電動自動車の先駆けとして、上海モーターショー2021でデビュー。そして今回、「A6スポーツバックe-tron」「A6アバントe-tron」をドイツにて発売することを発表した。

このアッパーミッドサイズのモデルは、PPEプラットフォームを採用した2番目のモデルとして、パフォーマンス、一充電航続距離、効率、充電という、アウディの強みを受け継いでいる。同時に、PPEプラットフォームにおいて、フラットフロアコンセプトを採用した初めてのモデルでもある。

そのエクステリアは、パワフルでスポーティ、そして完璧なプロポーションを実現。さらにインテリアは、アウディの新しいデザイン哲学によって定義されている。A6 e-tronは、装備レベルに応じて、第2世代のバーチャルエクステリアミラー、ボタンを押すと不透明になるパノラマガラスルーフ、リヤのライティングリングなど、多くの革新的な機能を提供する。この新モデル「A6 e-tron」と「S6 e-tron」は、2024年9月からスポーツバック/アバントのオーダーが可能となる。

A6アバントe-tron

A6アバントe-tron

AUDI AG CEOゲルノート デルナー氏は、以下のように述べている。

「A6 e-tronは、スポーツバック/アバントとして、初の純粋な電気自動車です。その印象的なデザインは、製品ポートフォリオの中で最高のエアロダイナミクスを可能にし、その結果、効率を向上させます。700kmを優に超える長距離と卓越したドライビングダイナミクスにより、eモビリティへの熱意を刺激するでしょう」

エレガントでプログレッシブなエクステリアデザイン

新しいA6 e-tronのすっきりとしたボディデザインは、ダイナミズム、プログレッシブ、エレガンスに焦点を当てている。フロントは、調和がとれた豊かな表情を持ち、スリムなデザインのデイタイムランニングライトとワイドなグリルにより、A6 e-tronは路上でフラットかつワイドに見える。

そして閉ざされたシングルフレームをブラックマスクが囲み、e-tronモデルの独特なデザイン言語を反映。メインヘッドライトと、先進運転支援システム(ADAS)センサーやエアインテークなどの他の機能的要素は、ダークマスクに統合されているため、ほとんど見えないようになっている。

A6スポーツバックe-tron

A6スポーツバックe-tron

さらにA6 e-tronの低く力強いボディが土台となり、ダイナミックなルーフラインを支えている。quattroブリスターは、彫刻的で筋肉質な形状で4輪駆動を強調している。これらは、Audi DesignのDNAの中核をなす要素。車の心臓部にあたるバッテリーは、シル部分のブラックのインサートによって強調されている。インサートは、車にフラット、スリムそしてダイナミックな外観を側面から与える。後部まで伸びてリフレクターを一体化することで、A6 e-tronは視覚的に伸びやかな外観を実現している。なおアバントは、Dピラーが前方に鋭角に傾斜した非常にフラットなルーフラインも特徴となっている。Aピラーからルーフスポイラーにかけてのアルミ調のトリムは、A6 アバント e-tronの新しい特徴であり、高い認知度を生み出している。

一方リヤは、スポーティなエレガンスとフルパワーの融合を表現。クリーンなアーキテクチャーと、連続した立体的なライトストリップが組み合わさって、新しいA6 e-tronは明瞭さと落ち着きを与えている。印象的なスポイラーリップがSportbackのリヤを仕上げ、目を引くリヤディフューザーがリヤのスポーティでダイナミックな外観をさらに強調。

そしてA6 e-tronには、エアロホイールとして設計された19インチの5アームダイナミックホイールが標準装備され、S lineにはグラファイトグレーの20インチの「5スポークトライポッド」デザインのホイールが標準装備されている。S6 e-tronには20インチホイールが標準装備されているが、最大21インチのホイールがオプションとして用意。デザインは、スポーティなタイプからエレガントなタイプまで、6つのAudi Sport製を含む、9つの特徴的なパターンが用意されている。

S6スポーツバックe-tron

S6スポーツバックe-tron

なお、A6 e-tronのエクステリアは、ベーシックモデル、S line、Sモデルで異なる。エクステリアカラーは、標準カラーのマグネティックグレーソリッド、グレイシアホワイトメタリック、タイフーングレーメタリック、ミトスブラックメタリックなど、最大8色を市場導入時に設定。それらはエクステリアのパワフルで進歩的なデザインを強調している。ブルー系の色合いには、プラズマブルーメタリックとマルペロブルーメタリックの2色も展開されていおり、デイトナグレーパールエフェクトとシャムベージュメタリックは、S line仕様とSモデル専用となる。

アウディにおいて、スポーティなデザインと空力性能は重要なポイント。数々の細部にわたる最適化により優れた空力性能が実現され、スポーツバックは非常に低いCd値0.21となっている。これにより、A6 e-tronはアウディ史上最も空力性能が優れたモデルとなり、フォルクスワーゲングループ全体の中でも最も優れたエアロダイナミックを備えたモデル。また、アバントも0.24という非常に優れたCd値を達成している。

革新的なライティングテクノロジー

新しいA6 e-tronによって、Audi DNAの重要な要素であるライティングデザインとテクノロジーにおけるアウディの主導的な役割が強調されている。ヘッドライトとリヤライトは立体的なデザインで、デジタルライトによるシグネチャーを提供し、現実世界とデジタルワールドを結びつけている。A6 e-tronファミリーのフロントには、LEDテクノロジーを備えたデジタルデイタイムランニングライトをオプションとして提供し、第2世代のデジタルOLEDリヤライトも用意している。

A6 e-tronは、1枚のデジタルOLEDパネルに約45セグメントを持ち、Car-to-X通信を可能にし、道路上の安全性を向上させる。またライティングデザインと新しいテクノロジーの完璧な共生により、ライトがより鮮やかで知的に見えるようになる。第2世代のデジタルOLEDリヤライトでは、450のセグメントを持つOLEDパネル10枚が使用され、特別に開発されたアルゴリズムによって毎秒数回新しい画像を生成。このアクティブデジタルライトシグネチャーは、アウディのライティングテクノロジーの未来を示している。

A6 e-tronに搭載している5つのドメインコンピュータの1つに入っているソフトウェアモジュールが、このライトシグネチャーを実現。フロントでは、12個の調光可能なセグメントはアルゴリズムによって、アクティブなデジタルライトシグネチャーを生成する。リヤでは、この目的のためにすべてのデジタルOLEDセグメントが使用される。個々のライトセグメントは相互に作用し、ライトシグネチャーの全体的な光度を均一にして保っている。

アウディは、第2世代デジタルOLEDリヤライトで新しいレベルのライティングデザイン、機能性、安全性を確立し、安全機能もさらに進化させた。アウディの他のモデルに既に取り入れられている近接検知機能が、新しいA6 e-tronではコミュニケーションライトを含むように拡張されている。この機能は、事故や故障の際に他の道路利用者に警告を発する。コミュニケーションライトは、通常のテールライトグラフィックスに加えて、デジタルOLEDリヤライト2.0により、特定の点灯パターンのテールライトシグネチャーとともに警告シンボルを表示し、危険な運転や交通上の警告を与える。

なおこの技術は、ドライバーの好みや個性にあわせるための新しい基準を打ち立てている。マトリックスLEDヘッドライトの新しいデジタルデイタイムランニングライトと、デジタルOLEDリヤライト2.0には、それぞれ8つのデジタルライトシグネチャーをもち、選択した装備に応じて、A6 e-tronを完全に新しい方法でドライバーの好みの設定にすることができる。

この新しいA6 e-tronの特筆すべき点は、装備に応じてリヤのフォーリングスが点灯するということ。これにより、アウディのコーポレートアイデンティティが強調され、新しいA6 e-tronに独自の個性が与えられる。

インテリアとAudi MMIパノラマディスプレイ

A6 e-tronのインテリアは、ユーザーのニーズに一貫して対応している。3Dかつ高いコントラストのデザインは、要素を意図的に前後に配置して、デザインとエルゴノミクス(人間工学)の観点から、乗員に最適化された空間設計となっている。MMIパノラマディスプレイは、カーブデザインとOLED技術を備え、11.9インチのAudiバーチャルコックピットと14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成され、10.9インチのMMIフロントパッセンジャーディスプレイと共に視覚的に明確なデザインによりデジタルステージを形成している。

さらにアクティブプライバシーモードでは、運転中に助手席の乗員が映画を見たりストリーミングする際、ドライバーの邪魔をすることなく、エンターテイメントコンテンツを楽しむことができる。速度やシートの占有状況に応じて、プライバシーモードをオンにしたり、またはコンテンツを全員が見えるようにすることができる。

またオプションのARヘッドアップディスプレイ(AR HuD)は、デジタルステージのもう一つの中心的な要素であり、ディスプレイテクノロジーにおいて大きな一歩を踏み出している。そのディスプレイは、運転手に向かってフロントガラス全体に大きく傾斜した画像を投影。速度、交通標識、アシスト情報、ナビゲーションシンボルなどの関連情報を表示する。

さらにインテリアは、居心地の良い雰囲気を作り出す。「ソフトラップ」はドアからドアへとパネル全体にわたって広がり、均一で包み込むような空間を生み出す。素材は機能的な観点から選ばれた。同時に、車内のさまざまなエリアを明確にデザインで差別化している。快適さを重視したエリアは、広々とした表面と柔らかい素材でデザインされている一方で、高品質で高光沢の黒色で精密にデザインされたコントロールエリアは、車両とのインタラクションの明瞭さを強調。低く配置された細いエアベントは、背景に溶け込むように見える。オプションのバーチャルエクステリアミラーのディスプレイは、Aピラーとドアシルの角度内の明確に見える位置に配置されている。

ここにもデジタルラップが形成されており、左右のミラーまでデジタルインストルメントパネル全体に広がり、ウィンドシールドのベースにあるダイナミックインタラクションライトを介して接続されている。ミラー調整、ライティング、およびロックシステムなどの主要な機能は、運転席のドアのセントラルコントロールパネルにコンパクトに統合されている。さらにオプションの4ゾーン自動エアコンシステムとアロマフレグランスとイオナイザーを備えたエアクオリティパッケージが、エレガントな雰囲気を醸し出している。

オプションの革新的なパノラマガラスルーフは、車両の魅力をさらに高める。従来のタイプとは異なり、このパノラマルーフのスマートガラスは、直接の日光を最小限に抑え、ボタンを押すことで不透明になる。これはポリマー分散液晶(PDLC)技術によるもので、透明から不透明に切り替えることができる。電気的に切り替え可能なガラスコンポーネントには、2つのPDLCフィルムがあり、そのフィルムが液晶を挟んでいる。電圧オフの場合、液晶は不透明な層を形成し、ガラスルーフは不透明になり、電圧オンで液晶が再配列し、ルーフが透明になり光を通す。ルーフモジュールのボタンで「デジタルカーテン」のように個別に制御することができ、ユーザーは4つのプリセットから選ぶことができる。

卓越したパワートレイン

S6アバントe-tron

強力でコンパクトかつ高効率な電動モーターと、新たに開発されたPPE用のリチウムイオンバッテリー(12モジュール、180個のプリズマティックセル、総電力量100kWh〈正味容量94.9kWh〉)により、A6スポーツバックe-tronの一充電航続距離は最長756km、A6アバントe-tronは最長720kmを実現。

そしてA6スポーツバック/アバントe-tron performanceモデルは、システム出力270kWで、アウディらしいスポーティなドライビングエクスペリエンスを提供する。A6 e-tron performanceは、0から100km/hまで5.4秒で加速し、最高速度は210km/h。S6 e-tronはシステム出力370kW(ローンチコントロール時405kW)を提供する。

S6スポーツバックe-tronとS6アバントe-tronは、0から100 km/hまで3.9秒で加速し、最高速度は240km/hとなる。一充電航続距離は、S6スポーツバックe-tronが最長675km、S6アバントe-tronが最長647kmとなっている。

A6 e-tron performance(270kW)は後輪駆動、S6 e-tron(370kW)はquattro(4輪駆動)で、スポーツバック/アバントが用意される。市場により、後輪駆動またはquattroの、さらに別のモデルが後日発売される予定となっている。

S6アバントe-tron

さらにA6 e-tronでは、800Vテクノロジーと標準のDC充電能力最大270kWにより、短い時間による充電が可能となっている。A6スポーツバックe-tron performanceは、適切な充電ステーション(High Power Charging、HPC)において、10分間の充電で310kmの一充電航続距離を得ることができる。また充電状態(SoC)10%から80%の充電が21分で可能。

この画期的な充電性能の鍵となるのは、インテリジェントな高性能予測サーマルマネージメント。Plug & Charge機能により、互換性のある充電ステーションでは、充電ケーブルを接続するだけで車両が自動的に認証され、充電プロセスが開始され、充電プロセスが完全に自動化されている。さらに400Vの充電ステーションでは、バンク充電が利用でき、800Vバッテリーが400Vの2つのバンクに分割されて、同時に135kWまで並行して充電が可能となる。なお、標準の家庭用充電器では最大11kWでのAC充電が可能であり、22kWのAC充電オプションも後日提供される予定。

高度な回生システム(回生ブレーキ)は、A6 e-tronの効率と一充電航続距離を向上させる重要な要素となる。このシステムは日常のブレーキプロセスの約95%に対応。A6 e-tronは、最大220kWを回生。温度とバッテリーの充電状態が重要な役割を果たす。回生はフロント・リヤ両アクスルで行われるが、軽度の減速は効率化のためにリヤアクスルで行われる。また、より強力な電動モーターにより、後軸での回生ブレーキ性能が向上する。

S6アバントe-tron

さらにプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)の一環として、従来のe-tronモデルでおなじみの統合ブレーキシステム(iBS)が大幅に強化され、前後アクスルごとに、機械的な摩擦ブレーキと電動モーターによる回生ブレーキのブレーキブレンディング(最適組み合わせによるブレーキング)が可能となった。

これまでのe-tronと同様、A6 e-tronには2段階の回生オプションがあり、ステアリングホイールのパドルで調整可能となっている。コースティングも可能で、ドライバーがアクセルペダルから足を離すと車両は抵抗なく惰性走行する。もう一つの仕様として「B」ドライブモードがあり、このモードでは「ワンペダルフィーリング」に近い、強力な回生減速を行なう。先の状況を見越す予測運転スタイルでは、ほとんどすべての減速を「B」ドライブモードで、ブレーキペダルを踏まずに制御することができる。

関連情報:https://www.audi.co.jp/jp/web/ja.html

構成/土屋嘉久

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