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一時141円台まで急速に進んだドル円相場に対し日銀の内田副総裁はどう動く?

2024.08.09

2024年8月7日のドル円相場は、144円前半から始まり、午後には147円台後半と急上昇。内田日銀副総裁が「利上げをしない」と語ったことが影響したとみられる。

その後、円を買い戻す動きも見られ、17時時点で1ドル=146円68銭~71銭と値動きの大きい1日となった。

そんな為替市場に関して、三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩 氏から最新の分析リポートが到着しているので概要をお伝えする。

日銀追加利上げとFRBの9月利下げ示唆後、米景気先行き不安が浮上しドル円は141円台へ

ドル円は7月3日に1ドル=161円95銭水準をつけた後、7月11日発表の6月米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことをきっかけに、ドル安・円高方向へ急速に反転した。

その後、7月31日の日銀金融政策決定会合で追加利上げが決定され、米連邦公開市場委員会(FOMC)で9月に利下げ検討の可能性が示唆されると、ドル安・円高の動きが加速し、8月5日には141円70銭水準に達した。

もともとドル円が161円台まで進んだ背景には、日銀と米連邦準備制度理事会(FRB)の慎重な政策運営の姿勢に、日米金利差はしばらく縮小しないであろうとの市場の見方があったと推測できる。

こうした中、先月の日銀追加利上げとFRBの9月利下げ示唆に加え、足元では米経済指標の下振れで景気先行き不安が急浮上。日米金利差縮小の観測が強まったことで、一気にドル安・円高が進んだと考えられる。

■年初からのドル高・円安と7月に入ってからのドル安・円高は、ともに投機筋が強く関与した可能性

年初からほぼ一本調子で進んだドル高・円安と、7月に入ってからの急速なドル安・円高については、投機的な動きが強く関与している可能性が高いと思われる。

そこで、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の1部門である、インターナショナル・マネー・マーケット(IMM)に上場されている通貨先物について、投機筋による円の売買動向を確認してみたい(図表1)。

図表1をみると、投機筋は年初から円を売り越し、7月2日時点の円売りポジションは18万4223枚と、かなり高水準に積み上がり、ドル円はおおむねこれに連動する形で、円安が進んだ様子が推察できる。

その後、投機筋が一気に円売りポジションを解消する(円を買い戻す)と、ドル円も急速にドル安・円高に振れており、投機的な取引がドル円相場の方向性に大きく影響したと考えられる。

■日銀内田副総裁は7日、早々に市場の追加利上げ観測をけん制、目先ドル安・円高は一服か

フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、9月に50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、11月と12月に25bpずつの利下げの見方が強まっており、日銀も年内追加利上げの見通しが市場に広がるなか、日米金利差は足元で急速に縮小している(図表2)。

このように、投機筋の円売りポジションの解消が進み、米景気減速や日米政策金利の変更も一定程度市場に織り込まれたと思われることから、ドル安・円高は小休止が予想される。

この先は、米経済指標と日米金融当局者の発言が注目され、内容次第ではドル高・円安、ドル安・円高、双方の動きが見込まれる。

なお、日銀の内田副総裁は7日の講演で「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはありません」と述べ、国内市場は長期金利低下、ドル高・円安、株高で反応している。

日銀は早々に市場の追加利上げ観測のけん制に動いたこととなり、次は米経済指標と米金融当局者の発言が焦点となる。

関連情報
http://www.smd-am.co.jp

構成/清水眞希

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