カーターが総輸入元として累計1,000台以上の販売実績のある「APtrikes125」は、新たに250ccエンジンを搭載する「APtrikes250」を2024年秋頃に車両本体価格70万円台にてリリースを予定している。
これまでの「APtrikes125」は、「普通自動車免許OK」「保険・税金が安い」「車検不要」という利便性の高さから人気を博しているが、今回は125ccモデルでの走行においてユーザーから得たフィードバックに基づいて改良。いままでの125ccモデルは、単独で平坦な道路を走行する上では必要充分だったが、複数人での乗車時や重量物の積載、急な坂道での登坂力において若干の力不足を感じるという意見があり、250ccモデルである「APtrikes250」の開発に着手した。この250ccモデルは、125ccよりも出力が高く長距離走行にも適し、エンジン耐久性の向上にもつながる。
ZONGSHEN製250cc水冷エンジンを採用
試行錯誤の末、遂に完成したAPtrikes250のプロトタイプ。今回の変更の核となるエンジンは、APtrikes125にも使用される多くの実績を持つZONGSHEN製となる。なお125ccエンジンよりも多くの発熱量をクリアすべく、水冷エンジンを採用した。また、変速機を5段変速へと変更し、あらゆる走行条件下においての適応性を向上させた。
※APtrikes125と同様に普通自動車免許(AT)にて乗ることができる。
そして新設計のフレームは、250ccエンジンに対応。サイドアルミフレームは、250ccモデルの振動に耐えうる肉厚に変更し強度を確保した。また、従来のスイングアーム式から3リンク式リジッドアクスルサスペンションへ変更することで、強度および操縦安定性を向上させている。なお車体サイズは、従来の125ccモデル同様、日本の道路事情や保管スペースにもマッチする大きさに留めた。
APtrikes250のプロトタイプテスト
まずは市街地の通常走行におけるテストを行なった。APtrikes125と比べエンジン出力が高くなったことや5段変速に変更し、常用回転数が低減したことにより、エンジンへの負担を軽減できた。
次に、登坂力チェックの為、俗に言う峠道を走行。APtrikes125と比べエンジンのトルクがアップしたことで速度低下を抑え再加速性能も大きく向上。その他、高負荷および通常走行ではあり得ない過酷な状況でのテストや、無風無走行で高回転負荷をかけた状態の冷却水温度や油温のチェックなどを行い、250ccエンジンのテストを繰り返した。
さらに長距離の実走テストを慣行。神奈川~大阪間 約500km(往復1,000km)の高速道路走行テストとなり、250ccモデルの実走行における耐久性や問題点を確認した。その結果、通常走行及び高負荷状況において水温油温共に80~90度ほどにて常時安定(最高気温約32度での計測)。
なお、APtrikesは身体に走行風が当たらない為、オートバイと比較すると疲れは感じにくいが、小型3輪車両の特性上、走行安定性などは自動車におよばない。
【APtrikes250 エンジンスペック】
エンジンモデル:ZONGSHEN製 250cc
原動機種類:水冷4ストロークOHV2バルブ単気筒
燃料:無鉛レギュラーガソリン
排気量:246.2cc
最大出力:11.5kW(15.6PS)/7,000r.p.m
最大トルク:19.5N・m(1.98kgf・m)/5,000r.p.m
変速機形式:ロータリー式・5段変速+後退(遠心クラッチ)
構成/土屋嘉久