7月26日発売のキヤノン『PowerShot GOLF』は、同社初のゴルフ市場向け製品となるゴルフ用レーザー距離計である。
目標物にレーザーを照射し、それが跳ね返ってきた時間から距離を計算するこのガジェットは、ピンフラッグを含めたホールの各構造物に対応する。
だが、この製品を実際に使ってみると「ゴルフ用レーザー距離計」という表現に留まらない可能性を有していることが確認できる。今回はゴルフをやらない筆者が、敢えてこの『PowerShot GOLF』を使っていろいろと遊んでみたいと思う。
光学6倍ズーム、フルHD動画撮影も
@DIME編集部を通じてキヤノンから『PowerShot GOLF』の実物が、筆者の自宅に届いた。
箱を開けてまず驚いたのが、製品自体の小ささである。サイズを表記すれば約31.0×58.9×91.2mmとなるが、その形状も相成って片手で握るにはちょうどいい具合に収まっている。何しろ、ゴルフというスポーツの合間に活用するものだから、こうしたコンパクトさも必要なのだろう。
この『PowerShot GOLF』はキヤノンの製品だ。従って、これ自体がカメラとしての役割も有している。1/3型CMOSセンサーを搭載し、有効画素数は約1,100万画素。光学6倍。ZOOMボタンを押せばワンタッチで望遠鏡倍率12倍に切り替えが出来るデジタルズームを搭載している。動画はフルHD対応である。
筆者は二輪免許所持者だが、やろうと思えばバイク用のドライブレコーダーとして活用できそうな気もする製品だ。
しかし今回は、片手で保持できるカメラとしてこの『PowerShot GOLF』を使ってみたいと思う。
目標物までの距離をレーザー測定
筆者は若い頃から、各国の世界遺産を巡ることを趣味にしている。
まだ名もなきフリーターだった頃、なけなしの給料から航空券代と当面の旅費、そしてキャノンの『IXY DIGITAL 10』を買ってタイとカンボジアを旅した。バンコク、アユタヤ、そして東の国境を越えてアンコールワットへ。これが筆者にとっては生まれて初めての海外旅行で、「世界はこんなに広かったのか!?」と驚愕したものだ。
そんな趣味を持っているから、筆者の身近にカメラは必要不可欠。APS-Cセンサーの一眼レフカメラも昔懐かしのフィルムカメラも持っているが、より持ち運びの容易な小型デジタルカメラもあればそれに越したことはない。
また、筆者の生業である取材ライターの仕事にも小型デジカメは大いに活用できる。「野外で突発的に絶好の被写体が現れる」ということは、案外よくあるからだ。
そして、そんな筆者のライフスタイルに『PowerShot GOLF』は見事に合致していると確信するに至った。
とりあえず、近所の川沿いの土手道で撮影。ここは静岡県静岡市を北から南に流れる安倍川。河川距離標をピンフラッグに見立てて、試し撮りしてみる。
この画像のように、距離標(目標物)までの距離をヤード表記で算出してくれる。そして、カメラ自体の写り映えも決して悪くない。一眼レフカメラや一般的な形状のデジカメのように、軍艦部に露出やシャッター速度等を操作するダイヤルがあるというわけではない。要するに、自動で露出を決めているのだ。しかし、それが野外での撮影に程よい具合の明るさになっている。
もちろん、距離測定のレーザーをOFFにした状態で、即ち純粋にデジカメとして利用し続ける手もある。『PowerShot GOLF』という商品名ではあるが、その用途はゴルフに限らないらしい。