お酒を呑んだ後、ラーメンで〆る――。『DIME』世代の多くに経験があるだろう。お酒やつまみでカロリーも塩分もたっぷり摂取しているのに、なんともいえない香りに誘われて……。抗えない魅力がラーメンにはある。
一方で、ラーメンはカロリーおばけである。翌日に胃もたれしたり、体型が気になったりする人もいるだろう。何を隠そう筆者もその一人。飲んだ後はいつも〆たい気持ちとのせめぎ合いだ。
この〝食べたい〟気持ちと〝健康を気遣う〟気持ち、両方を叶える商品と出会った。それはハンディサイズのカップに湯を注ぐだけで、本格的なラーメンスープが味わえる『NOMEN(ノーメン)ラーメンメンヌキスープダケ』。手がけるのは、業務用・家庭用ラーメンスープなどを製造するメーカー『あみ印食品工業』だ。
カロリーは24~55kcalとラーメンの1/10程度。食塩相当量もマックス2.2gと、ぐっと低い
『NOMEN』は、2023年11月に「博多とんこつ」「あごだし醤油」「地鶏風しお」の、3フレーバーを発売。この7月には「老舗のみそ」「シビ辛スープ」という2フレーバーを新発売。その(よい意味で)背徳感のある味わいから、ギルティーフリーなスープにとどまらず、話題を呼んでいる。
そこで今回は、『NOMEN』が生まれた背景と支持される秘密を、『あみ印食品工業』マーケティング課・課長の神山栄理子さんに聞いた。
〝ラーメンメンヌキスープダケ〟は新社長ならではの発想
『中華調味料 炒飯の素』でも知られる同社は、1952年に創業。「町中華のおいしさを気軽に家庭でも楽しんでほしい」という創業者の想いで、インスタントラーメン創成期から別添ラーメンスープづくりを行なっている。
以来72年、自社ブランドの商品や各社のプライベートブランドなど、数えきれないほどのラーメンスープを世に送り出してきた。いうなればラーメンスープのプロフェッショナルだ。
「麺を抜いてスープだけで商品化しようなんて、長年社内にいる人間には思いもつかなかった」と神山さんは言う。
『NOMEN』のパッケージを開けると、入っているのはスープの素が入った袋だけ
「私たちにとって、ラーメンスープと麺はセット。開発者は、麺が入ったときのラーメンスープのバランスを考えて、味を決めてゆきます。だから最初は、スープだけで勝負するの?と驚きました。
この『NOMEN』を発案したのは、2023年6月に就任した新社長・須田良雄です。須田は、現在58歳。若い頃からのんべえで、呑んだ〆はラーメンの世代です。過去の経験から、中高年になった今も呑んだ後はラーメンで〆たい。ただ、年齢とともに胃もたれが翌日に響き、現実は難しい。だったら麺を抜いて、ヘルシーにラーメンスープだけで香りと余韻を楽しめないか?と思いついたんです」