西園の鳥類たちの個性を観察する
東園から西園につながる「いそっぷ橋」を渡り不忍池が見えてくる。橋をわたる途中、橋の上には見晴台を兼ねたテラス部分があるそこから見渡す不忍池はハスの咲く季節には、淡いピンク色の花が美しく広がる。見上げれば広い空が広がりとても心地よい場所である。さあ、ここからは西園の個性的で親しみのある鳥たちを紹介しよう。
動物が好きという人の中でも「ペンギン」は絶大な人気者ですよね。
ここ「恩賜上野動物園」では「ケープペンギン」という種のペンギンを見ることができる。
ペンギンと言えば白い景色の中で生活をしているイメージが強いが、この「ケープペンギン」はケープタウンという南アフリカの地域に生息しており、南半球の夏にあたる1月2月の平均気温は26℃の温暖な季節もある青い海と青い空のもとで暮らしている。
この「ケープペンギン」もニホンライチョウと同じ「絶滅危惧1B類(EN)」に指定されている。
一際目をひくピンクの鳥といったら、スラッと細い足が特徴的なフラミンゴではないだろうか。
フラミンゴにもいくつか種類がある事を知っているだろうか。多くの動物園は混合飼育で同じ展示場に共同で飼育されているケースがあり、来園者は色の薄い濃い、体格が大きい小さいというのは成長の過程やピンク色には個体差があるのだと認識しているケースがあるのだが、実はそれらは全て違う種のフラミンゴ。
ここ、「恩賜上野動物園」で飼育されているのは「ベニイロフラミンゴ」である。
この「ベニイロフラミンゴ」はフラミンゴの中でも特に鮮やかな赤い羽根が特徴である。
最近ではメディアに取り上げられで、多くの人が「うごかない鳥」として知っているのではないだろうか。
この「ハシビロコウ」が生息する中央アフリカ熱帯部に分布しており、主食は主にハイギョという肺呼吸をする魚を食す。ただこのハイギョが呼吸をするため水面に上がってくるまで「ハシビロコウ」は数時間動かず待ちの狩りを行う忍耐強い鳥なのだ。狩りをしないときには「ハシビロコウ」出会っても動くし、羽ばたくのだ。
特に、木靴のようなくちばしを鳴らす「クラッタリング」という行動は初めて見ると変わった笑い方をする鳥だと目がくぎづけになる。
開園140年を迎えた「恩賜上野動物園」は今も昔も市民のために
2022年3月20日。「恩賜上野動物園」は開園140周年を迎えた。
国内で1番最初に出来た動物園である事は多くの人が知っているだろう。
「恩賜上野動物園」140年の歴史には、様々な日本では見ることの出来ない珍しい動物達が訪れた、開園当初から今も変わらず、来園者に驚きと感動を与えてくれている。
元々は、宮内省管轄の博物館の付属であった上野動物園。大正13年1月26日、当時の皇太子殿下である今上陛下のご成婚を記念して上野動物園と上野公園は当時の東京市に下賜(かし)されることとなった。
※下賜とは、身分の高い人からくださるという行為のことを言う。
ご成婚の記念というのは切っ掛けに過ぎず、実は関東大震災のとき上野公園には50万人もの避難民が身を寄せたのだという。このことが大都市東京の中にある上野公園という広大な敷地は災害時の市民の保安機能を果たす重要な場所となる。それだけが理由ではないのだが他の要因もあって市民のための公園として東京市に下賜されたのだ。東京市に引き継がれたことによって、上野動物園は市民の物となりより、親しまれる場所となった。
上野動物園は後に「東京都恩賜上野動物園」と正式名称が改められる。
こういった「恩賜上野動物園」の歴史は『上野動物園百年史』につづられている。
なかには2番目に開園した京都市にある「京都市動物園」と3番目に開園した大阪市にある「天王寺動物園」の開園当初の話も書かれている。どちらの園も過去の@DIMEで記事を公開している。