ハギスのバリエーションは無限大!
このように、スコットランド人の心の中で重要な地位を占めるハギスだが、近年では伝統的な食べ方だけでなく、多種多様なアレンジを楽しめる。
あるカフェでオーダーした「スコティッシュ・ブレックファスト」は、スコットランドの特産品を盛り合せた朝食。左から、四角いソーセージ「ローンソーセージ」、豚の血の腸詰「ブラックプディング」、そしてハギス
とろけるチーズとハギスをパンに挟んでトーストした「ハギス・トースティ」や、ミートボール状にしたハギスを揚げた「ハギス・ボンボン」、サラミの代わりにハギスを載せた「ハギス・ピザ」、パイ生地で包んで焼いた「ハギス・ソーセージロール」、ひき肉の代わりにハギスで作った「ハギス・スコッチエッグ」、さらには「ハギスの天ぷら」などもトレンドだ。
関西人には「たこ焼きのサラダ添え」に見えるかもしれないが、これはハイランド地方の主要都市インヴァネスの人気パブで給仕されている「ハギス・ボンボン」。
パイ生地のサクサクとした食感とハギスのこってりした味わいの組み合わせがたまらない「ハギス・ソーセージロール」。実は筆者のお手製。
「ハギス・スコッチエッグ」。こちらも筆者のお手製(なので卵の包み方が素人)。
一瞬サツマイモの天ぷらかと思った「ハギスの天ぷら」。天つゆをかければ激ウマかも。
庶民的な「ハギス、ニープス&タティース」も、高級レストランではお上品な盛り付けに。 写真:VisitScotland / Luigi Di Pasquale
ストリートフードから高級レストランのメニューまで、バリエーションはほぼ無限大。
そしてこれらはいずれも、スコッチウイスキーは言わずもがな、スコットランドではコカ・コーラをしのぐ消費量を誇る蛍光オレンジの国民的エネルギー飲料Irn-Bru(アイアンブルー)とも相性抜群なのである。スコットランドを訪れた際には、ぜひお試しあれ!
とろけるチーズ、ハギス、キャラメライズドオニオン、ベーコンが織りなすうま味が絶妙な「ハギス・トースティ」
文/ケリー狩野智映
スコットランド在住フリーライター、翻訳者、コピーライター。ウイスキー愛好家で、ウイスキーの聖地スコットランドでの生活に至上の喜びを感じている。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。