多くの人が抱える、肩・腰の痛みや自律神経の乱れ。それらを解消する目的で鍼灸・接骨院に通う人もいるだろうが、実際のところ、利用している人は何歳代に多いのだろうか?
リクルートの美容に関する調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」はこのほど、全国15~69歳の男女5,500人(スクリーニング調査5,500人、本調査2,000人)を対象に「鍼灸・接骨院に関する利用実態調査」を実施し、その結果を発表した。
鍼灸・接骨院の1年以内の利用率は、16.1%
あん摩・指圧、鍼灸、接骨・整骨のいずれかの1年以内の利用率は、16.1%で前年からほぼ横ばいとなった。利用率が最も高いのは20代(20.4%)で2割を超える。1年以内の利用者のうち、約7割が保険適用ではない施術を受けた経験があることがわかった。
「あん摩・指圧、鍼灸、接骨・整骨の施術は、具体的にどのようなことで利用しているか」と質問したところ、1位は「頭痛・肩や首の痛み、腰痛などの解消」、2位は「体のメンテナンス」となった。20~30代では、「脚周りの悩み解消」「ボディーラインの悩み解消」「顔周りの悩み解消」が他の年代と比べて高めの傾向にあった。
あん摩・指圧、鍼灸、接骨・整骨を利用する理由は、1位が「心身がリフレッシュできる・癒やされる」、2位が「自分の体質・体調に合わせて適切に施術してもらえる」となった。20~30代では、「専門知識を持った国家資格保持者の施術が受けられる」が2割超となった。
「あん摩・指圧、鍼灸、接骨・整骨を受けてみたいと思いますか?」と尋ねたところ、「あん摩・指圧」「鍼灸」「接骨・整骨」とも、非利用者における利用意向率は4割前後。今後のマーケットの広がりがうかがえる。
※グラフは「ぜひ受けてみたい」「機会があれば受けてみたい」の合計
■研究員からのコメント
鍼灸・接骨院での施術と聞くと、顧客の年齢層は高いのでは?と想像されるかもしれませんが、今回の調査では最も利用率が高かったのは20代でした。20~30代の利用目的からは、他の年代よりも「脚周りの悩み」「ボディーラインの悩み」「顔周りの悩み」など美容に関する悩みを解決したいというニーズが高い結果に。
また、20~30代の利用理由では「専門知識を持った国家資格保持者の施術が受けられる」は2割超で、専門性の高い施術が受けられることもメリットに感じている様子がうかがえます。メニューの作り方や集客時の情報発信を工夫することで、鍼灸・接骨院においても20~30代男女の集客増につなげることが十分可能であると考えます。(ホットペッパービューティーアカデミー研究員・田中公子氏)
<調査概要>
調査名:鍼灸・接骨院に関する利用実態調査2024
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年4月16日~2024年4月18日
調査対象:全国に居住する15~69歳の男女
スクリーニング調査:男女各10歳刻みで500人ずつ(15~19歳は250人ずつ)計5,500人
本調査:「あん摩・指圧」「鍼灸」「接骨・整骨」の「保険適用なし」での1年以内利用者。
年代別の割り付けは20~59歳につき、男女各10歳刻みで250人ずつ計2,000人
※調査票上では、“「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」「柔道整復師」の国家資格が必要な人が行う施術”と記載
※図表内の%の値は小数第2位を四捨五入しているため、差分や合計値において、単純計算した数値と合致しない場合がある。
出典:リクルートグループ
構成/こじへい