FIIO「K11R2R」はラダー型DACを搭載
最近、ハイエンドDACで、R2Rラダー型変換方式を採用するモデルが増えている。1ビットのデジタルシグマ方式と比較して、ディスクリートで組めるため独自設計がしやすく、パーツを厳選できるなどの理由から採用されるようだ。FIIO「K11R2R」は価格未定ながら海外ではUS$159.99と画期的に安価なラダー型DAC内蔵ヘッドホンアンプとなる。1chに48個の抵抗を使用、合計192個の抵抗で動作する。PCMだけでなくDSDも内部で変換して対応。「K11」ベースに作られたモデルでDAC以外の仕様は変わらない。
NOSモードで聞いてみると解像度は高めだが、高域はなめらかに、中低域は高域より解像度は低めで、極太の厚みを持つ音になる。オリジナルの「K11」はより音の分離がよく高域はシャープでエッジが立っている。どちらの音が好きかと言われれば、私には「K11R2R」の方が好ましかった。
オリジナルのシルバーに対してブラックアウトされた「K11R2R」
ドングル型トランスミッターでaptX AdaptiveとLDACの両方に対応した「BT11」。海外予価US$45でUSB-C接続、iPhone15にも対応するそうだ。
beyerdynamic初の完全ワイヤレス「VERIO 200」
beyerdynamicブランドで初登場したのがミドルレンジの「VERIO 200」である。実勢価格約3万6000円を予定。カラー違いで3色あり名称も違うが仕様に違いはないとのこと。ドライバーの口径は16.2mmと大きく耳をふさがないオープンイヤータイプ。防水性能はIP54で専用アプリも用意された。コーデックはaptX AdaptiveとAAC、SBCに対応。beyerdynamicらしい広々とした空間が感じられ、高域はキレがよく、中域は厚みがあって、ボーカルをしっかり再生してくれた。外の音が聞こえるが音漏れは意外と少なかった。
finalからSシリーズの参考出品
finalからはBAドライバーを2基搭載した「S5000」予想実勢価格約5万円と「S4000」予想実勢価格約4万円の2モデルが参考出品された。両者の違いはハウジングが真鍮とステンレスの素材違い。どちらも音色はややクールで高域はキレがあって、低域はタイトだった。「S5000」はそこに柔らかい響きがわずかに乗る。今年の秋までに発売予定とのこと。
ゲーミングイヤホン「VR3000」のワイヤレスバージョンは大人気で試聴には長蛇の列ができていた
新型イヤーピースで音質調整
フォームとシリコンによる二重構造を採用したfinalの新型イヤーピース「Fusion‐G」は指でつぶさずに圧迫感の少ない装着性と遮音性を両立したモデルでS、M、Lの3サイズがある。
「Fusion‐G」は二重構造で外側は不透明な素材になっていた
LEPICのイヤーピースはボーカルを主役に!
オーディオアクセサリーブランドのLEPICから新登場したのが、新作イヤーピースの「nuon」である。音の帯域をコントロールすることで「BOOST」、「CLEAR」、「VOCAL」の名称通りの音色を強調してくれる。最初に発売されるのが「AirPods Pro」専用モデル。試聴してみると確かにボーカルがクッキリ聞こえ、しかも不自然さは感じられなかった。こちらは3種類のシリコンを使った構造になっている。
ボーカル強調、低音強調、クリアーの3種類があり予価は3000円ぐらい
写真・文/ゴン川野