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パリ五輪ウガンダ代表の選手団共同団長に抜擢されたアイルランド系ウガンダ人女性の挑戦

2024.08.02

団体種目や陸上競技等の花形種目のみならず、ややマイナーな競技に関しても世界最高水準の競い合いを一挙に観戦できる点は五輪の最大の魅力であると言えるでしょう。そんな中でローイング(2023年以前の和名正式名称は「ボート」)は1900年に開催された第2回大会から実施されている五輪史上最も古い種目の一つだ。ルールはいたってシンプル。水上に用意された直線コースを細長いボートに乗り、オールを駆使してボートを漕ぎ進めゴールに到着するまでの順位を競うというもの。

※画像はイメージ

第2回大会がパリ開催であったことを鑑みると、同種目で臨む選手らにとって、今大会は一層想い入れの強い大会となっているに違いない。そして、そのローイングで今般パリの表彰台を目指す一人の選手が筆者の駐在国で話題になっている。日本から遠く離れたアフリカ大陸の東部ウガンダで、同国初の同種目ウガンダ代表選手となったキャスリーン・ノーブル(Kathleen Noble)選手を紹介する。

東部アフリカの内陸国ウガンダ

東アフリカに位置するウガンダは、植民地時代の影響が色濃く残り現在も英語が公用語として使用されている。また、内陸国であるものの、世界最長河川のナイル川の源流ヴィクトリア湖が象徴するように豊富な水源に恵まれており、緑豊かな大地では古くから農業が盛んだ。元英首相ウィンストン・チャーチルがかつて「アフリカの真珠」と形容したその様は現代でも衰えることなく繁栄している。

首都カンパラの街並み

パリ五輪ウガンダ代表団

そんなウガンダを代表する五輪アスリートと言えば、2020年東京五輪でも国民の期待に応え、5,000m走で見事に金メダルを獲得したジョシュア・チェプテゲイ選手だろう。男子トラック競技において2つも世界記録を保持する(5,000mおよび10,000m)彼については、ウガンダのみならず、日本においても陸上競技ファンであれば知らない人などいないはず。地元紙のパリ五輪特集でもチェプテゲイ選手に関しては冒頭から「この期に及んで紹介等不要」等と綴られており、同国における彼の人気は絶大なものであることを窺わせている。

そして、東京五輪でウガンダに更なるメダルをもたらした女子3,000m障害のペルース・チェムタイ選手(ブクウォ県出身、25歳)と、10,000mでチェプテゲイ選手に続き3着でゴールインしたジャコブ・キプリモ選手(クウェエン県出身、23歳)も難なくパリ五輪への切符を手にしている。今回が初出場となる男子200mのタルシス・オロゴット選手にも注目したい。21歳にして国内記録を保持する期待の超新星だ。

アイルランド人なのにウガンダ代表?

そして、ウガンダ代表選手団で現在ひと際注目を集めているのが、女子シングルスカルのキャスリーン・ノーブル選手だ。2020年に東京で五輪デビューを果たしたノーブル選手は今年チュニジアで開催されたアフリカ予選で4位に入賞し、見事ウガンダ初のローイング選手として2大会連続でウガンダ代表に選出された。

アイルランド出身の両親を持つノーブル選手は外見上他の選手らとは異なる特性を持ち合わせている。しかし、彼女は同種目での五輪出場枠欲しさにウガンダへ帰化したわけではなく、ウガンダ産まれウガンダ育ちのれっきとしたウガンダ人なのだ。

両親が1994年7月にウガンダに移住を果たし、ノーブル選手は同年12月にウガンダで誕生した。一家がウガンダに到着した翌週に開設されたアイルランド大使館は今年開館30周年を迎える。当地の人道・開発分野の取り組みに携わる筆者は、ウガンダに赴任した当初より、アイルランド系援助機関が放つ強い存在感を目の当たりにしてきた。最も深刻な干ばつや貧困に見舞われているウガンダ北部を選定し、アイルランドは30年間、教育や気候変動に重点をおいた援助を行っている。ノーブル選手の父親も医者であると同時に開発コンサルタントであり、教員の母親は現在もウガンダの学校で教鞭をとっている。一家のウガンダにおける歩みは、同国におけるアイルランドのそれと同一と言っても過言ではないように思う。

ローイングのキャリア

17歳の時に水泳で世界選手権に出場したノーブル選手は、進学先の米プリンストン大学で本格的にローイングを始め、またたくまにウガンダを代表するローイング選手となった。東京で開催された前大会でもウガンダ代表として出場機会には恵まれたものの、米国を拠点に活動しているためウガンダ代表団とは旅程が異なり、コロナ禍で様々な制約が課されたため選手らとの交流もままならず、自身の結果も芳しくなかった。

今回は米国代表として6度世界チャンピオンに輝いた経歴を持つジェームス・マルティネス氏という強力なコーチの下で厳しい練習を重ねており、万全な調子でパリ五輪に臨む。

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