DIME MAGAZINE
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「引越し」は人生の一大イベントだが、その中でも苦労することの１つが「洗濯機の取り外し」だろう。ほかの家電と違って水回りもからむので、予備知識なしに自分でやろうものなら、部屋が水びたしに……なんてことも？
この記事では、洗濯機の取り外し方、とくに水抜きのやり方をご紹介する。業者にお任せする場合の知識としても、覚えておいてほしい。
洗濯機を取り外す手順
引越しは業者に任せる人がほとんどだと思うが、じつは洗濯機を取り外すのは、やり方を知っていれば個人でできなくもない。
事前に準備しておくもの
具体的な手順を紹介する前に、事前に準備をしておくものをチェックしてほしい。
・洗面器：水の処理用
・タオル：ホース内などに残った水分を拭き取るために使用
・ドライバー：蛇口の形状によっては、ドライバーが必要になるケースもある。念の為、準備しておこう。
これらに加えて、取り外した部品を入れるためのビニール袋もあると便利だ。
手順1.洗濯機の取り外し前に蛇口を確認する
洗濯機を取り外すにあたり、まず確認すべきなのが「蛇口」だ。
今の家に引っ越してきたときに、この蛇口を「洗濯機用ワンタッチ水栓」などに自分で交換しているなら、これを取り外してもかまわない。ただし、この場合はもともとあった蛇口をセットして戻しておく必要がある。
また、元々洗濯機用ワンタッチ水栓が設置されていた場合には、それは残したままにする。
手順2.水抜きをする
洗濯機を取り外す前に、必ずやっておくべきことの１つが「水抜き」。洗濯機は使っていなくても、給水ホース、排水ホース、洗濯機本体などに、それぞれ水が残っている。これを抜く作業が「水抜き」だ。
給水ホースの水抜き
給水ホースの水抜きは、洗濯機が空になっていることを確認し、蛇口を閉めたうえで「洗濯コース」を選択。数分程度運転させると、給水ホース内の水が抜けて洗濯槽内に流れていく。洗濯機の運転を止め、電源を切ってから給水ホースを取り外そう。
洗濯機本体（洗濯槽内）の水抜き
洗濯機本体（洗濯槽内）は、本体の電源を入れ「脱水」を選択し、数分程度運転をさせる。その後、洗濯槽内に残っている水をタオルなどで丁寧に拭き取ろう。ドラム式洗濯機の場合は、排水フィルター（糸くずフィルター）の水抜きも併せて行っておくのがおすすめだ。脱水後、排水フィルターを外し、水気を拭き取っておく。
排水ホースの水抜き
最後に、排水ホースの水抜きを行う。洗濯機を排水ホースが設置されている側に少し傾けて、排水ホース内の水をすべて出し切ろう。ここまで完了したら次のステップ（アース線の取り外し）に進む。
手順3.アース線を外す
洗濯機には、漏電に伴う感電、発火のリスクを防ぐために「アース線」が接続されている。アース線は、コンセントの下に接続口があり、そこにネジで取り付けられていることが多い。ドライバーでネジをゆるめれば外すことができる。
しかし、水に濡れた手で触ったりするのは厳禁。必ずゴム手袋をするなど、感電対策を万全にしてから作業に臨んでいただきたい。不安な人は業者に任せる方が安全だろう。
手順4.給水ホースを外す
給水ホースの蛇口側には、ホースをロックするレバーがある。それを押しながら、ホースを引き抜けば外れる仕組みだ。水抜きが終わっていても多少の水が残っているので、洗面器などを用意して、そこで受け止めるのが良いだろう。
万能水栓のように、給水ホースを４つネジリップルで取り付けている場合は、それも外す必要がある。その際、洗濯機本体に手を挟まれないように十分に注意をして作業していただきたい。
手順5.排水口からホースを外す
排水ホースは先端を排水口に差し込んであるだけというケースがほとんどだ。その場合は、引っ張れば簡単に外れる。なお、ホースの先端の「エルボ」というL字型の部品は、部屋の備品なので、賃貸住宅の場合、取り外して持っていくのはNGだ。必ず残した状態にしておこう。
洗濯機の取り外しは業者に頼むべき？ それとも自分でできる？
結論から言えば、洗濯機の取り外しは業者に依頼した方が安全だ。引越しを業者に頼む場合は料金に組み込まれていることも多いので、お任せしたほうが面倒はないだろう。
洗濯機の取り外しに対応している業者は？費用はどれくらい？
洗濯機の取り外しは、引越し業者を始め、水道設備工事を請け負っている事業者などが対応している。水漏れなども考慮して、無理せず自分で行わずに業者へ頼もう。また、先述した通り、引越し業者が行ってくれるケースも多いため、事前に確認をしておくことをおすすめする。
取り外しにかかる費用は業者によって異なるが、縦型で3000円程度、ドラム洗濯機で9000円程度が目安のようだ。まずは引越し業者が対応してくれるかを確認したのちに、複数の業者に見積もりを依頼するのが良いだろう。
引越しで洗濯機を自分で運ぶ際の注意点
まず注意したいのが、前項で紹介した「水抜き」だ。これを終えていないと、動かすときに水が垂れてきてしまう。
動かす際の注意点は、「できるだけ揺らさない」こと。洗濯機はとくにドラムが中心からズレてしまうと、故障の原因となりかねない。寝かせて運ぶのはもちろんダメで、必ず立てた状態で運ぶことを心がけよう。とくにドラム式の場合は、固定用ボルトが必須だ。
引越し後、洗濯機の設置（取り付け）に必要な作業は？
引越しを終えて新居に洗濯機を運び込んだら、設置作業が必要になる。
ちょうど、ここまで解説した取り外しと逆の手順で、排水ホースと給水ホースを取り付け、アース線を接続する。引越しの場合は業者が設置を無料で行う場合も多いが、例え有料だとしても、業者へ依頼した方がその後の安全確保や手間を考えれば、有効だろう。
洗濯機を移動した後は、防水パンの掃除も忘れずに！
洗濯機は重量があるうえに、下手に移動させるとドラムがズレかねないため、防水パンを掃除をする機会がほとんどない。引越しや買い替えで洗濯機を移動させたあとは、掃除のまたとないチャンスだ。溜まったほこりや汚れを取って、綺麗な状態にしておこう。
メーカーごとに異なる洗濯機の水抜き方法
ここまで洗濯機の水抜き方法を紹介してきたが、厳密に言うとメーカーや製品ごとに手順は異なる。ここからは、各メーカーが公開している正しい水抜き方法について紹介する。
東芝製洗濯機の場合
東芝の白物家電は、東芝ライフスタイル株式会社が製造販売している。2024年7月現在、東芝と中国の美的集団（マイディアグループ）の合併会社だ。よって東芝製洗濯機の情報は、東芝のHPには掲載されていないので注意して欲しい。
東芝ライフスタイル株式会社のHP内では、肝心の「水抜き」に関する情報は公開されていない。各製品の取扱説明書を参照するか、個別に問い合わせてみよう。取扱説明書はHPでダウンロード可能だ。
シャープ製洗濯機の場合
シャープでは、「コールセンターからのアドバイス」として、公式HPにて水抜きの方法を公開している。「全自動洗濯機・タテ型洗濯機」と「ドラム式洗濯機」に分けて解説されているので、ご自身の使用しているタイプを確認のうえ、以下のサイトを参考にしてほしい。
【参考】全自動洗濯機・タテ型洗濯機の水抜き（シャープ公式HP）
ドラム式洗濯機は水抜きの方法が異なる点がある
ドラム式洗濯機は、タテ型の洗濯機とは水抜きの方法が多少違う点がある。本体下部に「糸くずフィルター」や「排水フィルター」がある場合が多く、排水コースで短時間運転した後、これを外すと洗濯機本体に残った水が抜ける仕様になっているのだ。
東芝製ドラム式洗濯機の場合
前述したように、東芝ライフスタイル株式会社のHPには「水抜き」の情報はない。しかし、糸くずフィルターの掃除方法を解説したページはあり、これを見れば本体に残った水を排出する手順の参考になる。
【参考】糸くずフィルターの掃除のしかたは（東芝ライフスタイル株式会社HP）
パナソニック製ドラム式洗濯機の場合
パナソニック製のドラム式洗濯機は、水抜き方法が「よくあるご質問」として公式HPに記載されている。イラスト入りで丁寧に解説されているので、ぜひ参考にしてほしい。
【参考】パナソニック公式サイト【洗濯機全般】洗濯機を引っ越し・運搬する時の水抜き方法
日立製ドラム式洗濯機の場合
日立製のドラム式洗濯機は、水抜き方法がパナソニックと同じく、「よくあるご質問」として公式HPに掲載されている。
【参考】日立公式サイト 引っ越しや凍結防止のため、水抜き方法を教えてください。
洗濯機が故障したら処分も視野に入れよう
洗濯機が故障して、水抜きもできなくなったら、交換や修理、あるいは廃棄で移動させなくてはならないが、自分で無理に水抜きをする必要はない。修理業者や電気店など専門家に事情を説明すれば、必要な措置は業者が行ってくれることがほとんどだ。引越しを機に、新しい洗濯機を購入するのも選択肢になる。
なお、洗濯機の処分にはリサイクル料金がかかるため、それらの金額もチェックしておくことをおすすめする。
※データは2024年7月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文／ねこリセット
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