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補聴器後進国の日本人が知っておくべき聴力の低下と認知症との関係

2024.08.01

AI搭載の補聴器によりユーザーにもたらされる変化

補聴器は進化し続けている。AIが搭載されるようになったことで、ユーザーの動きを感知し、それぞれの場で快適に聞こえるようにコントロールしてくれる。1対1、複数、屋内、屋外といったさまざまなシーンに合わせてノイズを抑制し、よく聞こえるという。これによりユーザーのライフスタイルは大きな変化が見込める。

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「聞こえの悩みによりあきらめていたことを、あきらめなくていいという心情面の変化があると考えられます。特に、複雑な環境、例えば雑音のすごいレストランなどでは、AIがしっかりと騒音を抑えてくれるため、リスニングを快適なものにしてくれます。聞こえづらくて聞き返したりすることもなく、会話をスムーズなものにしてくれるでしょう」

補聴器の普及に向けて

補聴器の開発・製造を担うメーカーとして今後、補聴器の普及にも力を入れていくという。

「補聴器の早期装用の普及を推進していきたいです。早期装用することにより、脳の認知機能の低下を抑制させる可能性があるためです。比較的若い50代から補聴器を使うことが、働く上でも役立つと思います。補聴器は価格に対する心配が強いですが、各自治体で助成金制度が敷かれる形で解決に向かっています。今までは重度の方を中心に助成されていましたが、軽度や中度の方も含めて助成がされるようになっています。助成金を使えるということ自体の認知も進めることで、予算の都合で性能の低いものを選ぶ必要もなく、高性能の補聴器を選びやすくなっていることも伝えていきたいです」

難聴は認知症やその他のQOLの低下をもたらすリスクがあるが、補聴器があればその進行やリスクを減らすことができる。そして助成金を利用できる可能性もあるため、導入のハードルは下がってきていることは確かだ。自身の長い老後生活の質を高めるためにも、覚えておきたい知識といえる。

【取材協力】

森 勇磨氏
東海高校・神戸大学医学部医学科卒業。研修後、藤田医科大学病院の救急総合内科にて救命救急・病棟で勤務。救急現場で数えきれないほど「病状が悪化し、後悔の念に苦しむ患者や家族」と接する中で、「病院の外」での正しい医療情報発信に対する社会課題を痛感。その後今や子どもから高齢者まで幅広く親しまれるようになったYouTubeでの情報発信を決意。2020年2月より「すべての人に正しい予防医学を」という理念のもと、「予防医学 ch/ 医師監修」をスタート。「MEDU株式会社(旧:Preventive Room株式会社)」を立ち上げるほか、オンライン診療に完全対応した新時代のクリニック「ウチカラクリニック」を開設。

フィリップス ヒアリングソリューションズ

文/石原亜香利

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