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補聴器後進国の日本人が知っておくべき聴力の低下と認知症との関係

2024.08.01

将来、誰もが起こり得る、不安が大きい認知症。そのリスクは聴力の低下により高まるといわれている。日本の難聴についての現状と将来の展望、補聴器利用について、予防医療に詳しい森勇磨医師に聞いた。

また後半では世界の補聴器事情やAI搭載の最新補聴器についても紹介する。

聴力低下と認知症との関係

聴力低下と認知症とは深い関係があるという。森氏は次のように話す。

「実際に難聴が認知症のリスクを2倍程度に増加させたという海外の研究も存在するので、聴力の低下は認知症のリスクを高めると考えて良いでしょう。五感の低下は脳への刺激が少なくなることから、認知症リスクも増加してしまうのかもしれません」

加齢性難聴は加齢とともに誰もが起こりうることだが、認知症リスクが高まるとあって、国や自治体は補聴器の購入補助や聴力検査をサポートし、早期聴覚ケアを推進している。

しかし一般社団法人日本補聴器工業会の調査(※)によると、日本の補聴器の普及率は、難聴者人口の15.2%となっている。欧米諸国の普及率30~40%に比べ、非常に低い水準だ。

※調査出典「JapanTrak2022 調査報告

補聴器普及率が低い課題については、さまざまな要因があると考えられると森氏は話す。

「欧米と比較すると日本は国民皆保険制度のもと、比較的安価に医療の恩恵を享受できるので、保険が効かない補聴器がやや割高に感じられることは、要因の一つと考えられます。また難聴が老化の自然現象の延長のような症状と感じやすいため、病院に行くタイミングが遅れてしまうこともあります。地域によっては助成金が適応になることも知っておいて損はないでしょう」

今後、日本の中高年以上は補聴器をどのようにとらえ、どのように付き合っていけばいいか。

「認知症予防の側面からも、日々の生活を彩り鮮やかなものにするためにも、何も恥ずかしがる必要はありませんので、聞こえが悪いと感じたら耳鼻科で相談し、補聴器が必要なら導入しましょう。補聴器は現在、軽量でシンプルなモデルも増えてきているので、カジュアルなシニアのたしなみとしてとらえていただくのも良いかと思います」

世界と日本の補聴器に対するとらえ方の違い

日本と比べると、世界ではもっと日常的に、カジュアルに補聴器が使われているようだ。

デンマーク発の世界的な聴覚ヘルスケア企業、デマントの日本法人デマント・ジャパン株式会社は、ロイヤル フィリップス社との商標ライセンス契約のもと展開しているフィリップス ヒアリングソリューションズより、AI搭載補聴器「フィリップス ヒアリンク」の新モデルを2024年6月19日に発売した。

その製品発表会に登壇したフィリップス ヒアリングソリューションズの担当者に、補聴器の普及や性能に関する世界と日本との違いを聞いた。

「世界は補助金制度が充実しているため、全額補助金制度がある国は、補聴器の普及率が非常に高いです。補助金制度に変更があったフランス、ドイツ、イギリスでは普及度が大幅に増加しています。日本の普及率は低く、いわゆる補聴器後進国です。日本人は補聴器イコール加齢というイメージや、高価というイメージがあり、難聴に気づいて補聴器を購入するまでが1年以上と長いのです」

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