美容に気を遣うと健康になる理由
ところで、美容というと「おしゃれ」や「見た目」といった上部だけのイメージがある人もいるかもしれない。けれど、美容に気を遣うことで、健康にもつながると、堀田氏は語る。
「清潔感の印象を大きく左右する肌のハリやツヤは、皮膚表面のケアだけではなく、食事や睡眠、運動といった生活習慣も直結しています。まずは食事でタンパク質をしっかり摂ること。肌のハリを司(つかさど)るコラーゲンやエラスチンもタンパク質成分なので、それらが欠乏すれば新しく産生するのもむずかしくなります。糖質や脂質の摂りすぎは皮脂が過剰に分泌されるため、肌荒れと密接に関わります。また、コラーゲンの生成は睡眠中に活発に行われることから、睡眠が不足すると肌の弾力性が失われるので注意が必要です。その他にも、喫煙は血流を悪くするので肌のくすみやたるみなどの原因になります。
このように、美容に気を使い始めて肌表面のケアだけではなく根本的な改善を図ろうとすると、自然と健康に気を遣うことになります。肌に良いこと=身体に良いこと、であることを認識することで、美容に対する意識も上がるのではないでしょうか」
●サウナは健康法であり美容法
「最近サウナが流行していますが、サウナには血管機能の改善や自律神経機能向上など、健康面でポジティブな効果があります。実は美容効果も高く、汗をかいたり血流が促進されることによって肌の新陳代謝が促進されて肌の調子が整うのに加え、熱刺激によって肌の細胞の修復も促進されるため、健康にも美容にも効果が期待されます。サウナをはじめとした、健康と美容につながる行為を趣味にしていくと、無理せず継続して将来的な健康を見据えた生活を送れるようになるのではないでしょうか」
美容意識の高まりの背景から、好印象を無理なく作るコツなどを紹介した。もはや美容は現代を生きる上で欠かせない生活習慣の一部にするべきなのかもしれない。ぜひヒントにしてみよう。
【取材協力】
堀田 歩希氏
美容皮膚科医 / Willbe Clinic 統括院長
慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院にて皮膚科診療に携わる。大手美容皮膚科での勤務を経て、2021年「Willbe Clinic」を銀座に開院。2024年7月現在は新宿・立川にも店舗を構え3院の統括院長に。「「願う」と「叶う」の間に。」をスローガンに、経済的負担が少なく手の届きやすい、確かな美容医療を提供している。日本レーザー医学会の正会員。
調査出典:聖心美容クリニック「男性美容意識調査」
文/石原亜香利