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航空会社のシフト制労働が抑うつや不安のリスクをもたらす理由

2024.07.31

航空会社のシフト制労働者の不規則な食事リズムは抑うつや不安と関連

遅い夕食や長い食事摂取の時間枠などの不規則な食事リズムが、抑うつや不安のリスクを高める可能性のあることが、航空会社のシフト制労働者を対象にした新たな研究で明らかになった。上海交通大学(中国)のMi Xiang氏らによるこの研究の詳細は、「JAMA Network Open」に7月15日掲載された。

この研究では、中国の主要航空会社の従業員(パイロット、客室乗務員、航空保安検査員)を対象とした継続中の研究(Civil Aviation Health Cohort of China)への参加者2万2,617人(18~60歳、年齢中央値29.1歳、男性60.6%)のデータが分析された。

研究グループは、調査データをもとに、就業日と休日における朝食と夕食を摂取するタイミング、毎日の食事摂取の時間枠、およびイーティングジェットラグを割り出し、抑うつや不安との関連を検討した。

その結果、午前シフトの日における午後8時以降の夕食の摂取は、午後8時前の摂取と比べて、抑うつと不安のリスク増加と関連することが明らかになった(抑うつ:調整オッズ比2.01、95%信頼区間1.78~2.27、不安:同1.78、1.53~2.05)。

同様の結果は、夜間シフトの日と休日でも認められた。一方、午前シフトの日に食事摂取の時間枠が12時間未満であることは、12時間以上の場合と比べて抑うつと不安のリスクが低かった(同順で、同0.81、0.75~0.89、同0.84、0.75~0.93)。この結果は、休日でも同様であった。

また、午前シフトの日における夕食の遅れと夜間シフトの日における夕食の遅れは、抑うつと不安のリスク増加に関連していた(午前シフト:同順で、調整オッズ比1.39、95%信頼区間1.22~1.58、同1.32、1.13~1.54、夜間シフト:同順で、同1.21、1.08~1.36、同1.22、1.06~1.39)。

さらに、午前シフトの日における食事を摂取するタイミングの遅れは抑うつリスクの増加と関連していたのに対し(同1.35、1.13~1.61)、タイミングの前倒し、つまり早めに食事を摂取することは不安リスクの低下と関連していた(同0.78、0.70~0.87)。

こうした結果を受けて研究グループは、「航空会社の従業員の食事リズムは、フライトスケジュール(早朝か、夜遅くかなど)に左右されることが分かった。このような不規則な食事リズムは抑うつと不安のリスク上昇と関連していた」と述べている。

また、このような結果が得られた理由として、研究グループは、食事時間の変動が、概日リズムとしても知られる体の睡眠・覚醒サイクルに影響を与え、最終的に気分に影響を与える代謝シフトを引き起こすのではないかと推測している。

研究グループはさらに、「航空会社の従業員は厳しい訓練の中で回復力を養っているため、平均的な労働者よりもストレスにうまく対処し、緊急事態を管理する能力が高いと考えられる。それゆえ、典型的なシフト制労働者において不規則な食事リズムが心理面に与える影響はより深刻な可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2024年7月18日)

Copyright (C) 2024 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2821153

構成/DIME編集部

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