推し活をより楽しめるグッズの市場も盛況だ。商品展開はもちろん、店舗形態やPR手法からもヒットの要因が見えてくる。推し活グッズ市場の最前線を追った。
店舗ごとに異なる顧客層が特徴。現在のトレンドは〝シンプル化〟
「痛バッグ(痛バ)」に代表される推し活グッズの市場は活況を呈し、新たなビジネスチャンスを求め、様々な小売業が市場に参入している。特徴的なのが、業態で購入者層が異なる点だ。ヴィレッジヴァンガードにはアイドルなど現実の人物を推す〝3次元推し〟が多く、WEGOはアニメキャラやVTuberといった〝2次元推し〟が多い。一方で100均は店舗数の多さを活かし、ジャンルレスな商品展開で幅広い客層にリーチしている。
推し活グッズは華美な装飾が多い印象だが、簡素なデザインが現在のトレンドだとWEGO店長の男澤さんは語る。
「推し活が広まったことで、普段使いに兼用できるタイプの商品が人気を集めています。男性の購入者も増えていますね」
流行の可能性が高いと男澤さんが注目しているのが「中国痛バ」(左ページ)だ。
「従来の痛バのようにグッズを敷き詰めるのではなく、リボンやレースなども使って装飾します。グッズの数が少なくて済むので、初心者にも人気です。また、Y2K要素などを取り入れたファッション性の高いアイテムも増えてきています」
熱量の高いオタクから始まった推し活は幅広い層に浸透しており、呼応するようにグッズのトレンドも変化している。
【1】サブカル系ショップは推し活グッズの総本山!
サブカルチャー情報発信地の顔を持つ複合型書店のヴィレッジヴァンガードでは、エリアの一角を占めるほど大きく推し活グッズを取り扱っている。売れ筋はチェキホルダーやペンライトといった、ライブイベントに関連した商品だ。サンリオやちいかわなどのキャラコラボ商品も人気で、IPコンテンツを幅広く取り揃える同社の強みが出ている。
ヒットの要因〈1〉3次元推しを取り込む動線づくり
渋谷本店など一部店舗にはライブステージがある。アイドルのライブイベントが行なわれると、イベント後のチェキ会で撮影したフィルムを保存するため、ファンがチェキホルダーを買いに来るそうだ。
店内にライブステージが!
渋谷本店のライブステージでは、ほぼ毎日アイドルのライブやサイン会などのイベントが行なわれている。
ヒットの要因〈2〉店員みずから推し活ガチ勢!
店長自身が推し活をしており、痛バッグも自作しているほど。仕入れ担当者にも多くいるそうで、ガチ勢目線の店舗運営やバイイングができることを強みとしている。
店長はVTuberの加賀美ハヤト推し!
『推し色ぬいカップ』2640円
丸いカップ形なので、自宅のディスプレイ用としても◎。ストラップは取り外しができる。先行販売時、5日間で1500個が即完売した人気商品だ。
ヴィレッジヴァンガード 渋谷本店
[住]東京都渋谷区宇田川町23-3 渋谷第一勧銀共同ビル B1F・B2F
[電]03-6416-5641 [営]11:00~21:00 [休]不定休
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