推していて誇らしいそう思われる自分でありたい
沢口さんがこの考えを持てるようになったのは、ここ最近のことだ。そのきっかけが、推しである女性アイドルグループ「Juice=Juice(ジュースジュース)」の工藤由愛(ゆめ)さんだ。
「ステージの上に立って、キラキラの笑顔を絶やさずに踊っている由愛ちゃんやメンバーたちが愛おしくて仕方がないんです。私も一時期グループで活動していたのですが、アイドルは精神的にも体力的にもすごく過酷。辛いこともあるし、そんな時に笑顔を作る余裕なんてないはずなのに、自分がアイドルだからっていう理由だけで、笑顔でいつづける姿とその覚悟に元気をもらえます」
工藤さんを本格的に推し始めたのは、メンタルが不調だった2年前のことだ。ファンの存在に加え、工藤さんへの推し活も、沢口さんが自信を取り戻すきっかけとなった。
「推しがスターダムを駆け上がることで、その成功体験を私にも擬似的に味わわせてくれる。それが自己肯定感に繋がるのかもしれません。自分には絶対できないことを成し遂げてくれる由愛ちゃんを推していることが誇らしい。だから私も、私を推してくれるファンにそう思ってもらえる人間でありたいと思っています」
いいことは自分に返ってくるそのサイクルを大事にしたい
推す側と推される側の両方の立場を経験した沢口さんがたどり着いた、推し活におけるひとつの答えが〝情けは人のためならず〟だ。
「由愛ちゃんを推したことで、私は幸せな気持ちをもらいました。だからこそ、自分のファンにも同じ思いをしてほしい。こうやって、人からもらったものをまたほかの人に渡し続けることで、巡り巡ってまた自分に戻ってきている気がするんです。
推し活の話題になると、多くの方が『推しが幸せになってくれれば、それだけでいい』といいますが、私も同じです。推しに私の存在を認知されたいとか、何か見返りが欲しいとかはまったくありません。推しを応援する中で、十分私も幸せをもらっていますから」
推しのお陰で、推される側としてのあるべき姿を見出した沢口さん。推し活を熟知した彼女は、これからもファンの期待に応えつづける。
沢口さんが推しているJuice=Juiceとは?
ハロー!プロジェクト所属で、2013年9月にデビュー。私の推しは工藤由愛ちゃん(写真上段中央)!メンバーカラーはピンクで、タコが大好き。実は私のこの髪型、由愛ちゃん考案のメンダコヘアーなんです!
沢口さん主演ドラマ「サバエとヤッたら終わる」がTOKYO MXにて放送中!
取材・文/桑元康平 撮影/玉井幹郎
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