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なぜ、サッカー選手にサウナ好きが多いのか?南葛SCの大前元紀選手、楠神順平選手に聞く熱波師デビューの舞台裏

2024.07.29

“サ活”に励むサッカー選手は少なくない!

熱波師として風を送る南葛サウナクラブの大前元紀(右)と楠神順平(左)=筆者撮影

 日本サッカー界のレジェンド・カズ(三浦知良=JFL鈴鹿)を筆頭に、日本代表元エースナンバー10・香川真司(セレッソ大阪)、現代表の冨安健洋(アーセナル)など、サッカー選手のサウナ愛好家は少なくない。

『サウナーの聖地』とも言われる静岡市駿河区の「サウナしきじ」へ行くと、香川、冨安はもちろんのこと、清水エスパルスに在籍した鄭大世(解説者)ら有名選手のサイン色紙がところ狭しと飾られている。

 なぜ、サッカー選手はそれほどまでに”サ活”を好むのか…。それは、やはりコンディションに気を配っているからに他ならない。

 高温多湿の環境下で90分間、強度を落とさず走り回るサッカーというスポーツの消耗度は想像を絶するレベル。1試合でフル稼働した後には体重が3キロ減るという選手もいるほど。ゆえに、彼らは疲労回復のためにさまざまなアプローチを試みるのだ。

 サウナがその有効な手段だというのは、多くの選手が語っていること。パリ五輪に参戦した大畑歩夢(浦和)筆頭に、U-23日本代表選手たちもサウナで心身両面の切り替えを図っている様子だ。

静岡市にあるサウナーの聖地・さうなしきじ(筆者撮影)

 さらに言うと、国内外のサッカークラブにはクラブハウスやトレーニング施設にサウナを完備しているところが結構ある。そこでサウナ10分・水風呂2分という感じで交代浴を繰り返すというのは、選手たちのルーティンになっているのだ。

 とはいえ、自分がサウナで汗をかくのではなく、熱波師として目の前の人に風を送る側に回るケースは皆無に近い。実際にそれをやり始めたのが、関東サッカーリーグ1部(J1から数えて5部に相当)・南葛SCの「南葛サウナクラブ」である。

しきじに飾られた冨安健洋のサイン(筆者撮影)

南葛SCの選手たちは単なるサ活から熱波師へ

 ご存じの通り、南葛SCは「キャプテン翼」の作者・高橋陽一氏が代表を務め、「葛飾からJリーグへ」をテーマにトップリーグ参戦を目指しているチーム。今季はかつて川崎フロンターレを率いて華麗なパスサッカーの土台を築いた風間八宏監督が指揮を執っているが、その指揮官と川崎を一緒に盛り上げた「名物仕掛人」の天野春果が2月からプロモーション部長に就任。遊び心満載の地域活動をスタートさせたのだ。

「南葛サウナクラブ」の活動はその一環。「葛飾区をととのえる」「南葛熱波」をテーマに、メンバー入りした選手13人と天野氏らスタッフ2人の合計15人が熱波師となるべく、伝説のプロ熱波師である大森熱狼さん、安寺沢茜さんに師事。葛飾区の伝説の名店「サウナ&カプセルホテルレインボー新小岩店」に定期的に通って5か月間指導を受け、7月23日にデビューを果たしたのだ。

 その中には、清水やドイツのデュッセルドルフ、大宮アルディージャなどを渡り歩き、2018年にはJ2得点王に輝いている大前元紀、川崎やセレッソ大阪で活躍したテクニシャンの楠神順平の両元Jリーガーも名を連ねていた。

南葛サウナクラブの仕掛け人・天野春果部長(後列左)が中心となって、伝説の熱波師・大森熱狼さん(同右)から指導を受けた(筆者撮影)

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