コープの選ばれる商品づくり
生協はもともと非営利団体として発足しているため、一般企業とは異なる協同組合組織だ。組合員に選ばれる商品づくりを目指し、組合員の声を取り入れ、魅力ある商品をラインアップしている。7月30日の生協の日キャンペーンでは職員が推す「推しCO・OP」の紹介で、注目されている。
おいしさに徹底的にこだわった「コープクオリティシリーズ」も人気のコープ商品のカテゴリーのひとつ。生協の日キャンペーンの推し商品でもこのクオリティシリーズが多数登場しており、Xのコメントでも「食べたら絶対に美味しさが実感できる」と人気だ。若い人たちにも好評で、東京製菓学校の洋食科、和菓子科の生徒と試食会を開き、意見交換を行ったところ、「食感と風味のバランスが良い」、「日常の中でちょっとした贅沢をしたい時にぴったり」などの意見が出た。
こうした選ばれるコープ商品にするためには、利用しやすい価格設定も不可欠である。冷凍食品の牡蠣と白玉粉では、それぞれ2種類の商品を統合して1つの商品にすることで、生産効率を上げ、結果的に価格を据え置きできるようにしている。
生協の特徴の一つ「エシカル消費対応商品」
エシカル消費対応商品に特に力を入れ、拡大させているのも、他の小売業にない、生協ならではの特徴の一つである。エシカル商品とは環境や社会、人に配慮した製品のことで、生協のエシカル対象商品の2023年度総供給高は2457億円(正確には組合員供給価)、前年比109%を記録して、好調に推移している。
エシカル対応商品として、コープサステナブルシリーズのブランドを立ち上げ、共通マークを付けた商品を販売している。シリーズ商品は水産品、家庭用品のほか、カップ麺やブロッコリースプラウトなど農産品まで広く展開し、23年度は前年比113%の281億円を達成している。
環境保護や持続可能や社会のために、意義ある商品ならば、妥当な値段で購入する。そんな高い意識をもつ組合員の存在が、生協を支えている。最近はスマホからの購入も簡単にできるようになり、DX化が進んでいる生協。商品購入の選択肢の一つとして、生協を試してみたいという人には、加入前のお試しセットがとてもお得だ。
文/柿川鮎子