推しの情熱が歴史を動かした古今東西〝推し活〟エピソード6選
ひとたび歴史を推し活という観点から紐解くと、時代・場所を問わず〝推し活要素〟の色濃い史実の数々が浮かび上がってくる。堀江氏の監修のもと、日本史・世界史上の著名人にまつわる驚くべき推し活エピソード6つを解説する。
日本史編
【奈良時代】女性天皇が推した僧侶「道鏡」とその結末
聖武天皇の娘・称徳天皇は僧侶・道鏡の人柄に惚れ込み、正倉院の屏風を特別に貸し出すなど寵愛。一時は皇位まで差し出そうとしたがさすがに実現しなかった。
大出世した道鏡だが最後は「皇位簒奪を謀った」と責められ左遷の憂き目に。
【平安時代】光源氏は藤原道長を理想化したキャラだった
『源氏物語』の作者・紫色部は自らの才能を認めてくれた藤原道長を光源氏のモデルとして理想化。女性を大切にする貴公子像は道長の世評を格段にあげた。
【江戸時代】民衆に推された謎多き美男子「天草四郎」
日本最大級の一揆「島原の乱」の総大将・天草四郎は16歳の美少年。キリストをも彷彿とさせる彼を旗印に、4万人弱のキリシタン農民が幕府に反旗を翻した。
その正体には諸説あるが、推されやすい属性を持った卓越した存在と言える。
世界史編
【15世紀|フランス】推し活の舞台は戦場。ジャンヌ・ダルク
現代では武道館などに推しを連れていくことを目標に推し活に励む人も多いが、彼女もシャルル7世を正式なフランス王にすべくランス大聖堂での戴冠式まで導いた。
今の推し活の主戦場はライブ会場だが、彼女は推しのため本物の戦場に赴いた。
【18世紀|オーストリア】モーツァルト家に全力支援した外交官ニッセン
名作曲家モーツァルト推しのデンマークの外交官ニッセンは、〝推し〟の死後に楽譜の版権管理で一家の借金を清算するなど、推しの子と推しの嫁まで生涯支えた。
彼が書いた伝記『モーツァルト伝』は今もモーツァルト研究の第一級資料。
【19世紀|英国】エンゲルスがマルクスに心酔しなければ資本論は完成しなかった
英国で亡命中マルクスと出会った実業家エンゲルスは彼の思想に心酔。マルクス死後も遺稿をまとめ出版した『資本論』は、世界の勢力図に大きな影響を与えることに。
年収の6割をマルクスに渡すほど熱心に援助。周囲にも推しの尊さを説いた。
取材・文/清友勇輔 撮影/矢島泰輔(堀江氏近影)
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