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7回目を迎えたオーガニックフェス「ラキャルプフェス」が目指すサステイナブルな未来

2024.07.26

カーボンオフセット開催やケミカルオンリーNG 厳しく定めた出展条件

D:“同じ思い”の企業が集まるということで、フェスに参加するための条件などはありますか。

新井:ひとつは、「サステナブル」を大きなテーマに掲げています。まずは各企業、ブランドさんが、「社会的にサステナブルな活動をしています」「サステナブルなプロダクトやサービスを提供しています」とオフィシャルで発信ができることを条件にしています。

D:そこが発信できないと参加できないのですね。

新井:そうですね。出展が決まったら、各ブランドさんが行っている「サステナブルな取り組み」をラキャルプフェスの公式サイトに提出してもらって可視化してもらうので、それができない場合は参加できません。

それから、化粧品やサプリメント、“肌につけるもの”、“経皮吸収する可能性があるもの”、“口から入るもの”などに関しては、「化学的なものだけ」でモノづくりをしている企業さまの参加は出来ません。例えば、今回も参加しているReFaさんのプロダクトは、食べるものでも経皮吸収するものではありません。化学的なものでツールは作っているけれど、シャワーは節水や環境保全につながっているため、ReFaさんの美容ツールは参加条件をクリアしています。

D:サプリメントや化粧品、フェムテックなど体内や肌に直接関係するものは、“ケミカルオンリー”はNGということですね。

ReFaのシャワーヘッド体験ブース

新井:それから条件としては、「カーボンオフセット開催」を掲げています。

ラキャルプフェスは、デジタルでは得られない、“人間と人間が出会って感じる熱量、人間ならではの温度感”を大事にしていているので、これまで「リアル開催」を意識していました。

しかしそうすると、皆さんが会場まで来るCO2の発生量が気になってしまう。交通機関の利用や会場の電気などで、昨年23年で12tのCO2が発生しています。「イベントで発信したい! もっと伝えたい! もっと拡大したい!」思うと、同時にCO2の発生も増えてしまう。それをどうにかしたいと思って、23年から「カーボンオフセット開催」にさせていただいています。

ヘアケアブランド「LPLP(ルプルプ)」

D:具体的にどういう方法でCO2を削減するのでしょうか。

新井:23年のフェス開催でCO2が12t発生したので、カーボンオフセットの取り組みをしている企業さまに投資をして、その12t分を相殺しました。

去年はラ キャルプが多くを負担したのですが、“みんなでつくるイベント”なので、今年は出展企業さまにも1口1万円を出資していただく条件を必須にしました。今回は、自然電力株式会社の協力のもと、カーボンクレジット制度を導入しました。ラキャルプフェス出展74ブランドと主催のラ キャルプ、合計75企業がクレジットを購入することで、カーボンオフセット開催が実現したのです。

出資は2口でも5口でも10口でも自由です。「みんながカーボンオフセットに参加すること」が条件になりました。

D:環境への意識が高い企業が集まるのですね。

新井:それから、申し込む前の「説明会に必ず参加すること」も条件にしています。というのも、「お金を出せば、条件をクリアすれば出られる」と思われるのも違うからです。“人と人”なので、必ず私たちの話を聞いて納得してくださった方に参加していただきたいです。

申し込んだ順から受け付ける形にしているので、「お金をたくさん払ったから優先順位が上になる」ということもありません。「この時間に申し込みをする」「説明会に出る」と意識してくださった方は、“参加する強い意志”や“意義”を持っていると思うので、そういう企業さまを優先しています。

ウェルネスブランド「HOMTECH(オムテック)」

D:強い意志を持った74社が集まったのですね。今後はどういったフェスにしていきたいですか。

新井:7年やってこられたので、引き続き、来年以降も“”長く継続していくこと“をモットーにしています。継続して発信していかないと未来につながらない。イベント自体もサステナブルにしていきたいです。

竹素材を使用した衛生用品ブランド「Limerime (ライムライム)」

コンテンツとしては、フェムテックエリアを今年から増設しました。これからますます注目される分野です。女性という性をもって生きている人たちが、今後社会でもっと活躍していきます。女性の社会的課題を解決することも、サステナブルな未来を作る活動のひとつだと思っているので、フェムテック企画はもっと充実させていきたいです。

地球を守って持続可能な社会を作ることは、人間がやらないとたどり着きません。今後も、自分たちがどう感じでどう判断するかを考え、同じ思いに賛同してくださる方々とつながりたいです。

取材・文/コティマム

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