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大人の習い事は〝学びの場〟だけじゃない!「ECCシニア」に見る活動の場としての可能性

2024.08.05

生涯学習という言葉が認知されて久しいですが、生涯にわたり学ぶという環境は、ミドルシニアにとって「学ぶ」だけでなく、「働く」場や新たな「コミュニティづくり」の場として、いま改めて注目されています。そのひとつの事例として、「ECCシニア」を取材しました。

自身の成長や学びをブラッシュアップしたい、アクティブシニアの声に応える

「ECCシニア」と聞くと、「ECCジュニア」が頭に浮かぶ人は多いのではないでしょうか。「ECCシニア」は「ECCジュニア」同様、株式会社ECCがフランチャイズ展開しているスクールです。

その前身は2018年にECCが‶簡単な英会話を通じて、心はずむ交流を〟というキャッチフレーズで立ち上げた、おとなの英会話サロン「ECCプラチナクラブ」です。海外旅行時や外国人観光客へのおもてなしに使える英会話などを、ご近所で気軽に学べる教室としてスタートしました。

2020年には、今後のさらなる日本の少子高齢化を見越して‶楽しく話して「健康脳」に〟をコンセプトに「ECCシニア」と名称を変更。新たに英会話を学ぶ〈わくわく英語〉と、クロスワードやナンプレ、ことばや数の問題で脳トレーニングを行う〈いきいき脳活〉の2コースを設置して全国展開しています。

「ECCシニア」を運営するECCジュニア事業部・広報の荒田さんに、その背景をうかがいました。

「これまで弊社は約45年間、子どもたちが英語を学ぶ場として『ECCジュニア』教室を提供してまいりましたが、『ECCシニア』はこれからシニア世代が増えていくことを踏まえて設立したブランドです。『ECCプラチナクラブ』を展開したことで、自身の成長や学びをブラッシュアップしたいというアクティブシニアの方が多いと実感したことが、『ECCシニア』設立の大きな要因となりました」

ECCジュニア事業部・広報の荒田さん

英会話を学ぶだけでなく、新たなコミュニティが生まれる社交場

「ECCシニア」でのレッスンは、子ども向けの英会話・学習教室「ECCジュニア」の講師(ホームティーチャー)が担当しています。開講場所も「ECCジュニア」と同様に、講師の自宅や貸会場、テナントなど。現在、「ECCシニア」は全国で約5000教室あるそうです。

〈わくわく英語コース〉は、週1回60分間の授業で、費用は、月謝が6600円、教材費が11000円。入学金は5500円(表示価格には消費税10%を含む)。

広報・荒田さんによれば、生徒の受講動機はさまざまで、〈わくわく英語コース〉では「高校以来の学び直し」や「海外旅行を楽しむため」「ボランティアで接する外国人の方とのコミュニケーションのため」が多いそうですが、なかには「仕事で使う」ために学ぶ人も。

「仕事で使う」のは30~40歳代の人で、いきなりガッツリ英語を学ぶビジネスコースの前段階に通っているのだとか。つまり、「ECCシニア」の受講者はシニア世代が主流とはいえ、成人以上であれば、誰でも受講ができるのです。

「『ECCシニア』では、英検などの資格取得を目指す方もいますが、多くはご近所で気軽に楽しく英語に触れたいと思って通われる方がほとんどです。日本人講師が日本語を交えながらレッスンを行うので、英語に馴染みのない初心者の方も安心して参加されています。

世代は60~70歳代の方が中心で、7~8割が女性です。レッスンは、『海外旅行で使える』や『インバウンド対応』『趣味を語る』などをテーマに、各シチュエーションにあった英会話を学びます。目標は設定せず、評価もなし。会話中心に行われますので、レッスン中は笑いが絶えません」と荒田さん。

「ECCシニア」の〈わくわく英語コース〉の教材一例

レッスンは週1回60分間で、年間43回のカリキュラムが組まれており、1冊のテキストで1年間学ぶことができるといいます。受講者からは、「レッスン仲間と海外旅行へ行く目標ができた」「英語を学ぶ孫との会話が弾むようになった」などの反響を得ているとのこと。

海外旅行へ行かないまでも、レッスンで知り合ったことをきっかけに、共通の趣味などを通じて新たな人間関係が育まれることも多いそう。会社を退職し、自宅で過ごす時間が多くなると、新しい人と出会う機会にはなかなか恵まれませんが、コミュニティづくりの場としての機能も果たしているようです。

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