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「御御御付け」って何のこと?知らないと恥ずかしい読み方や由来

2024.09.22

「御御御付け(おみおつけ)」とは、お味噌汁のことです。鎌倉時代に生まれた宮中の女房言葉といわれています。

足を丁寧に「御御足(おみあし)」と表現することがありますが、なぜ単に味噌を溶かした汁物に「御」が3つも使われているのか気になった方も多いのではないでしょうか。

「御御御付け」と表現されるようになった由来について、わかりやすく説明します。また、おいしい御御御付けのバリエーションもご紹介します。

「御御御付け」とは?

つけのイメージ

御御御付け(おみおつけ)とは、味噌汁のことです。

御御御付けは、もともと京都の女房言葉といわれています。女房とは「朝廷の女官」や「貴族の家に仕える侍女」のことで、彼女たちが味噌や汁物などの一般的な言葉を丁寧に表現したものが女房言葉です。

つまり、御御御付けは味噌汁の丁寧な表現のため、目上の人に使っても失礼はないと考えられるでしょう。

参考:デジタル大辞泉

■御御御付けの由来は「お味噌のお付け」

御御御付けは、「御味御汁」とも表記することがあります。

御味(おみ)は味噌、御汁(おつけ)は汁物や吸い物です。つなげて「お味噌汁」の意味となります。「御」も「み」と読めることから、いつしか「味」が「御」と変わり、「御御御付け」と表記されるようになったと考えるのが自然でしょう。

参考:デジタル大辞泉

■御御御付けの後に「味噌汁」という言葉が誕生

味噌は、平安時代に作られるようになったといわれています。当時はご飯のお供的な役割で、お湯に溶かさずそのまま食べていたようです。

鎌倉時代になると、宮中では食事の際に汁物を添える文化が誕生します。汁物は「食事に付けるもの」の意味で、「付け」と呼ばれるようになりました。

「付け」はもともとは「すまし汁」が主流でしたが、味噌を溶かしたものが誕生し「味噌の付け」と呼ばれるようになります。

女房たちは「味噌の付け」を丁寧に表現し、「お味噌のお付け」→「お味噌お付け」→「御味御付け」→「御御御付け」と変化していきました。

江戸時代になると、日本各地で大豆が育てられ、味噌も大量に作られるようになって庶民の食事にも登場します。

また、味噌を汁物に溶かした汁物も普及しましたが、「御御御付け」という言葉を知らなかったため、単に「味噌の汁物」の意味で「味噌汁」と呼ぶようになりました。

御御御付けのバリエーション

豊富な具材

御御御付けはさまざまな食べ物と相性がよく、味噌本来の味わいも残したうえで素材のおいしさを引き出します。バリエーションも豊富にあるため、今までに食べたことのない具材で御御御付けを楽しんでみてください。

御御御付けと相性がよいとされる具材や、地域ごとの味わいをいくつかご紹介します。

■具材のバリエーション

御御御付けにはルールがありません。味噌を溶かした汁物なら何でも「御御御付け」「味噌汁」と呼べるため、食べたいものや余っている食材を使って作りましょう。

何を入れるか迷ったときは、次のものから探してみてください。

・野菜、きのこ類
・豆類、大豆加工品
・海藻類

おすすめの具材をご紹介します。

野菜、きのこ類

健康のためにも野菜をしっかりと食べたいと思っていても、生野菜はかさが大きく、量を食べるのは大変です。汁物として加熱すればかさを減らせるため、効率よく食べられるでしょう。

たとえば、キャベツやほうれん草、小松菜などの葉物も、加熱すると量が減って食べやすくなります。また、玉ねぎやナス、ジャガイモなどは煮込むことで甘味が強まり、さらにおいしく食べられます。

食物繊維が豊富なきのこ類も、御御御付けのおすすめの具材です。定番のなめこ以外にも、しめじやマイタケ、エノキなども味噌とよく合います。

豆類、大豆加工品

味噌自体が大豆加工品ですが、具材としても大豆加工品を入れてみてはいかがでしょうか。大豆は良質なタンパク質が豊富に含まれるため、健康増進効果も期待できます。

定番の豆腐や油揚げ(薄揚げ)以外にも、厚揚げもボリューム感があり、朝食におすすめです。また、加工品だけでなく豆そのものを入れてもおいしいです。たとえば、大豆や絹さや、枝豆なども味噌の風味によく合います。

海藻類

海藻類も定番の具材です。ワカメやあおさ、もずくなどを試してみましょう。

なお、ワカメやあおさはドライフードとしても販売されていますが、香りや噛み応えにこだわるなら生がおすすめです。ワカメは春が旬といわれているため、スーパーなどでも手に入りやすくなります。

試してみたい個性的な具材

定番の具材に飽きたら、変わり種も試してみましょう。たとえば、豆乳を味噌汁に入れると、さらに効率よくタンパク質を摂取できるだけでなく、クリーミーな味わいに仕上がります。

また、辛いものがお好きな方ならキムチ、酸味をプラスしたいときはトマトなどもおすすめです。

■地域ごとのバリエーション

御御御付けは郷土料理にもよく見られます。手に入りやすい具材で作れるバリエーションをいくつかご紹介します。

てっぽう汁

てっぽう汁は、北海道の根室地方の漁師めしとして誕生したといわれる御御御付けです。カニの濃厚なだしをベースに、豆腐や長ネギなどを入れて作ります。

納豆汁

納豆汁は、山形県や秋田県、岩手県などでよく食べられる御御御付けです。納豆をすり鉢ですりつぶし、豆腐や油揚げ、きのこ、こんにゃくなどを入れて煮込みます。タンパク質が豊富に摂取できるため、栄養補給の一品としてもおすすめです。

粕汁

粕汁(かすじる)は、日本酒を造る工程で出る酒粕(さけかす)と味噌で味付けをした御御御付けです。大根やごぼう、にんじんなどの根菜類や、こんにゃくなどを入れて煮込みます。

主に兵庫県で食べられていますが、地域によってはサバやブリなどの魚を入れることもあるようです。

さつま汁

さつま汁は、鶏肉をふんだんに入れた鹿児島県の御御御付けです。鶏肉やしいたけ、大根、ごぼうなどの具材を炒めてから煮込むため、味わいが深く腹持ちがいいのも特徴です。

御御御付けを楽しもう

おいしいご飯のイメージ

具だくさんの御御御付けなら、あまり時間がないときでもしっかりと栄養を摂取できます。健康習慣の一つとしても、御御御付けはおすすめです。

ただし、煮込みすぎると味噌本来の香りが飛んでしまうため、仕上げのタイミングで入れるようにしましょう。ぜひご紹介した具材も参考に、おいしい御御御付けを作ってみてください。

構成/林 泉

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