葬儀や弔問で使う「お悔やみ申し上げます」は具体的にどのような意味なのか、気になることもあるのではないでしょうか。「お悔やみ」は亡くなった人を弔うという意味があり、「お悔やみ申し上げます」は故人を弔う気持ちを表す思いやりの言葉です。本記事では、言葉の詳しい概要や例文などを解説します。
目次
「お悔やみ申し上げます」とは、故人を悼む気持ちを表すために、参列者から遺族にかける言葉です。
形式的に覚えて意味を知らないで使っていると、相手にも失礼であり、ビジネスシーンでは恥をかいてしまうことも。
意味や使い方を今一度おさらいしておきましょう。
「お悔やみ申し上げます」の意味とは?
ここでは、「お悔やみ申し上げます」の意味や使う場面などを解説します。
■弔問や葬儀の際に使う言葉
「お悔やみ申し上げます」は、「亡くなった人の死を悲しみ、弔いの言葉をお伝えする」という意味を込めて使います。
「お悔やみ」とは人が亡くなったことに対する残念な気持ちであり、これに「言う」の謙譲語である「申し上げる」と丁寧語の「ます」をつけて敬語にしています。
主に、遺族を訪問する「弔問」や葬儀の際、遺族に向けて使う言葉です。
■口頭でも文書でも使える
「お悔やみ申し上げます」は、口頭でも文書でも使える言葉です。一般的に口頭で伝えるときは、「このたびは心よりお悔やみ申し上げます」と言います。
なお、「お悔やみ申し上げます」は、弔問や葬儀の場など、故人が亡くなった直後に使う言葉です。49日法要や年忌法要の場では使わないため、注意しましょう。
「お悔やみ申し上げます」の例文
「お悔やみ申し上げます」の使い方について、例文をみて確認しましょう。
口頭で伝える場合とメールに分けて紹介します。
取引先や目上の人などにメールで伝える場合は、略式であることを詫びる一文も入れるとよいでしょう。
(口頭で伝える場合)
・このたびは本当に残念なことで、心からお悔やみ申し上げます
・ご家族の皆様の悲しみを思うとかける言葉もございません。心からお悔やみ申し上げます
(メールで伝える場合)
・このたびはお母様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
突然のことで大変かと思いますが、ご無理をなさらないようにしてください
しばらくはご多忙かと思い、メールでのご連絡となりましたこと、ご容赦ください
「お悔やみ申し上げます」と似た表現
「お悔やみ申し上げます」の代わりに、次のような表現もよく使われます。
・ご愁傷様です
・ご冥福をお祈りします
・哀悼の意を表します
ここでは、「お悔やみ申し上げます」と似た表現を紹介します。
■ご愁傷様です
「ご愁傷様(しゅうしょうさま)です」は、相手の心の傷を気遣い、気の毒に思っている、という気持ちを示す言葉です。
「愁傷」の「愁」は相手を気の毒に思う気持ちを表し、「傷」は痛みを指します。愁傷の前後に「御」と「様」をつけることで、最上位の敬意を表しています。
口語でのみ使う言葉で、メールや弔電など文書には使いません。
(例文)
・この度のご不幸に言葉もありません。ご愁傷様でございます
・この度はご愁傷様です。突然のことで、さぞやお力を落とされていることでしょう。
■ご冥福をお祈りします
「ご冥福(めいふく)をお祈りします」は、「故人の死後の幸福を祈る」という意味です。「ご冥福」の「冥」は死後の世界という意味の「冥土」を表し、「福」と合わせて「死後の幸せ」という意味になります。
遺族や関係者ではなく、亡くなった人に向けた言葉です。そのため、「〇〇様の」「故人様の」と付け加えるとよいでしょう。
なお、「ご冥福をお祈りいたします」は宗教・宗派によっては不適切になる表現のため、注意してください。浄土真宗やキリスト教、神道では「冥福」という考え方がないため、使わないようにしましょう。
(例文)
・〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
・謹んで故人様のご冥福をお祈りします
■哀悼の意を表します
「哀悼(あいとう)の意を表します」は、故人が亡くなったことの悲しさを表す表現です。口頭では使わず、弔電やメールなど文書で使用します。
冒頭に「謹んで」という言葉を入れると、より丁寧な印象を与えるでしょう。
(例文)
・お母様が安らかな旅立ちでありますよう 心から哀悼の意を表します
・〇〇様の訃報に接し、謹んで哀悼の意を表します