「葵」は、女の子の名前にも男の子の名前にも使われることの多い漢字です。しかし、実際に名づけで用いる際には、どのような意味を持つ漢字なのか、悪いイメージがないのかなどをしっかりと確認しておきたいところです。 この記事では、「葵」という漢字にはどのような意味があるのか、また「葵」を用いた難読漢字を解説します。さらに、名づけで用いる際のイメージや実際の名前、悪い意味はあるのかどうかも確認しておきましょう。
目次
名前として用いられることの多い「葵」という感じ。最近では性別関係なく使われます。そもそも名前以外では使用される頻度が少ないため、どのような意味を持つ漢字なのかを確認しておきたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、「葵」という漢字にはどのような意味があるのか、由来や漢字の使い方を解説します。さらに、名付けで用いる際のイメージや実際の名前、使用する際のポイントも確認しておきましょう。
「葵」という漢字の意味とは?簡単に基礎知識を解説
「葵」の読み方は「あおい」です。音読みでは、「き」と読みます。名乗りは「まもる」です。名乗りとは、人名でのみ用いられる読み方のことを指します。
「葵」という漢字の部首は「くさかんむり」で、画数は12画の文字です。
それでは、「葵」という漢字自体の意味や「葵」を用いた難読漢字を確認していきましょう。
■漢字自体の意味は「植物の名」など
「葵」は、「植物の名前」や「アオイ科の植物全般」を指す場合に用いられる漢字です。アオイ科には、以下のような植物が含まれます。
・タチアオイ
・ゼニアオイ
・フヨウ
・ハイビスカス
・オクラ など
「葵」という漢字で植物の名前を意味する場合には、「立葵(たちあおい)」「天竺葵 (てんじくあおい)」「二葉葵 (ふたばあおい)」を指します。
なお、「天竺葵 (てんじくあおい)」はゼラニウムの別名です。
■「葵」を用いた難読漢字
読み方が難しいとされる漢字のなかには、「葵」の漢字を用いたものが複数あります。「葵」を用いた難読漢字の例は、以下のとおりです。
・向日葵
……<読み方>ひまわり
・蒲葵
……<読み方>びろう
・山葵
……<読み方>わさび
・紅蜀葵
……<読み方>こうしょっき
これらはすべて植物の名前です。「紅蜀葵(こうしょっき)」とはモミジアオイの別名で、「蒲葵 (びろう) 」とはヤシ科の常緑高木を指します。
「葵」は名づけでよく使われる漢字
「葵」は、子どもの名前をつける際に人気が高い漢字です。1976年から人名用漢字になったもので、現在では女の子の名前と男の子の名前、どちらにもよく使われます。
それでは、名前に「葵」を用いる際にどのような意味やイメージ、願いが込められているのか、名づけの際に気になる「葵」の花言葉、また実際に「葵」を用いた名前の例をご紹介します。あわせて、「葵」に悪い意味はあるかどうかも確認しておきましょう。
■名前に「葵」を用いる際の意味・イメージ
名前に「葵」という漢字を用いる際に込められている意味やイメージ、願いは、以下のようなものです。
・タチアオイがまっすぐに茎をのばすことから
……凛としたたくましさや成長のイメージ。たくましく、すくすくと成長してほしい。
・タチアオイの花の持つ華麗さから
……美しさや凛々しさなどのイメージ。美しく育ってほしい。
・葵が徳川家の家紋として有名であることから
……和風のイメージ。徳が高いものや気品あるものの象徴。歴史上の人物のような大物になってほしい。
■名づけの際に気になる「葵」の花言葉
あわせて、「葵」と呼ばれる植物の花言葉も、名前に用いるとき気になるポイントです。アオイ科の植物のなかでも、タチアオイが「葵」の花言葉として参考にされやすいといわれています。
タチアオイの花言葉は、以下のようなものです。
・大望
・野心
・豊かな実り
・気高く威厳に満ちた美
「大望」は、アオイ科の植物のなかでも多くの実をつけることが由来です。「野心」は、多くの実をつける=成功するという意味からできた花言葉だといわれています。
「気高く威厳に満ちた美」の由来は、空に向かってまっすぐに茎が伸び、太陽に向かって花が咲くことです。
■「葵」を用いた名前:女の子
実際に「葵」を用いた女の子の名前の例は、以下のとおりです。
・葵(あおい)
・葵凪(あおな)
・夏葵(なつき)
・向日葵(ひまわり)
・陽葵(ひまり)
・葵乃(きの・あおの)
・響葵(ひびき)
名づけの際は、「葵」の漢字一字だけで「あおい」と読んだり、ほかの漢字と組み合わせて「あお」「き」と読んだりします。また、ひまわりのことを「向日葵」と書くことから、「ひまわり」に関連する名前もあります。
■「葵」を用いた名前:男の子
「葵」は男の子にも用いられている文字です。実際に「葵」を用いた男の子の名前の例は、以下のとおりです。
・葵(あおい・まもる)
・葵斗(あおと)
・晴葵(はるき)
・直葵(なおき)
・大葵(だいき)
・陽葵(はるき)
「葵」の漢字一字だけで「あおい」と読む名前は、女の子にも男の子にも使われています。性別にとらわれずに使えることも好まれているようです。
「あおい」と読む場合はすべて母音だけで構成されていて、発音しやすいのもメリットでしょう。
なお、「葵」の漢字一字だけで「まもる」と読む場合もあります。
■「葵」に悪い意味はある?
人によっては、「葵という漢字は意味が悪い」という考えを持つことがあるようです。意味が悪いと考える人は、アオイ科の植物の花言葉をその理由としています。
たとえば、「ゴジアオイ(午時葵)」の花言葉は「私は明日死ぬだろう」です。これは、正午のころに綺麗な花を咲かせても翌日にはしぼんでしまい、半日しか持たないことに由来するといわれています。
また、「トロロアオイ」の花言葉は「恋の病」「恋によって身が細る」です。
しかし、これらはアオイ科の植物のほんの一部です。アオイ科の植物には、ほかにも多くの種類があります。
アオイ科の植物の花言葉は全般的にポジティブなものばかりであり、花自体のイメージもよいため、それほど気にせずに名づけに用いられるようです。
「葵」という漢字を正しく理解しよう
「葵」という漢字は、植物の名前として、もしくはアオイ科の植物全般を指して用いられることが多いです。読み方は、訓読みは「あおい」、音読みでは「き」と読みます。名乗りは「まもる」です。
名づけの際に人気の高い漢字で、女の子と男の子のどちらに対しても用いられています。名づけの際は、意味や読み方、イメージ、花言葉などのポイントをおさえて、子どもに合った名前を考えましょう。
構成/chihaya