ブームを越えてすっかり定着した感のあるサウナ。次なるステップとして、既存の施設を形態変化させたメタモル〝サウナ〟がオープンし始めている。
そのひとつが、神奈川県・鶴見にある『サウナゆげ蔵』だ。「高級料亭を改築したのですが、門構えや日本庭園などほぼそのまま。特に庭園は外気浴ができる場所としてライトアップを行ない人気を集めています」(広報・塚本和正さん)
一方で静岡県の温泉地にある老朽化したドライブインを再利用した『UMEGASHIMA DRIVE-IN & SAUNA VILLA』は、緑茶をロウリュに使えるなど、地の利を生かしたサウナがウリ。『昔利用したドライブインに違う目的でまた来るようになった』と、往年のファンの掘り起こしにも成功している。
また『SAUNA PARKING』のように広くて使い切れていない駐車場をサウナ化した例も。「イオンの駐車場にサウナ!?」と驚かれることもあるようだが、宮崎県のキレイな空気と広い空もあり、買い物以外でも訪れたい非日常感を演出できているようだ。
一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所(千葉県船橋市)が実施した『日本のサウナ実態調査2024』によると、ライトユーザーは増加している一方、ヘビーユーザー、ミドルユーザーは減少しているという。インパクトあるメタモルサウナ化はライト層を呼び込めるだけでなく、使わなくなった場所や施設の有効利用するメリットもある。形態変化を経たメタモルサウナの熱波がまだまだ吹き続けそうだ。
静寂と和の風情でととのう時間『サウナゆげ蔵』
[住]神奈川県横浜市鶴見区豊岡町11-16
[料]〜60分1600円、〜90分1900円、〜120分2200円、フリータイム2600円
緑豊かな鶴見の高台にオープンした〝料亭サウナ〟は、見た目は古風な造りでも、中身は最新のフィンランド式を採用。好きなタイミングで押せるオートロウリュウボタン、水深120cmという深めの水風呂など、多くの人が心地よく〝ととのえる〟仕掛けが多数。
特にこだわったサウナ室。パワフルな熱源と外気を取り込むダクトを設置し、熱くても息苦しくない快適空間を作り上げた。
料亭からメタモル〝サウナ〟!!
伝統と格式ある日本庭園にはリクライニングチェアが置かれ〝ととのい〟の空間に。畳敷きスペースもあり、ごろ寝もできる。
サウナと温泉が同時に楽しめる『UMEGASHIMA DRIVE-IN & SAUNA VILLA』
[住]静岡県静岡市葵区梅ケ島4159-37
[料]デイユースサウナ(和室)1万2000円(2名:2時間)〜、サウナヴィラ(洋室)5万円〜
古くから親しまれてきた梅ケ島温泉にできた最新のサウナ施設。強アルカリ単純硫黄泉を水風呂や内風呂に使用したほか、ストーブ界のロールスロイスと言われるドイツEOSの電気ストーブを設置するなど、質の高いととのい体験ができる。
ドライブインからメタモル〝サウナ〟!!
オクシズ(静岡の山間部)に古くからあった温泉地のドライブインが新たな観光資源へ変貌。