毎年猛威を振る「花粉」。辛い花粉症の症状を抑えるため外出を控える人も多く、巨大な経済損失につながっているという。では、2024年の花粉はどのような特徴があったのだろうか。
ウェザーニューズは、全国約1,000か所に設置した独自の花粉観測機「ポールンロボ」が観測した花粉飛散量と、アプリ「ウェザーニュース」を利用する花粉症の人からシーズン中に寄せられたのべ127,299通の症状報告をまとめた「2024年春の花粉の飛散と花粉症の症状」を発表した。
北日本では昨年・平年を大きく上回る 西日本では昨年・平年よりも大幅減
ウェザーニューズ独自の花粉観測機「ポールンロボ」が観測した2024年春の花粉飛散量は、全国平均で昨年比54%、平年(※1)比100%となり、飛散量が多かった昨年と比べると半分程度、平年と比べると同程度となった。
ただ、飛散量の傾向はエリアによって差が大きくなっている。北日本や関東、東海では平年を上回った地域が多く、北日本を中心に昨年を大きく上回った一方で、西日本では昨年・平年ともに大きく下回っていた。
花粉の飛散量は雄花の生長に大きく左右される。雄花の生長は前年の夏の気温や日照時間(気温が高く、日照時間が長いほど好条件)、年ごとの花粉の増減傾向の影響を受ける。
昨年の夏は、西日本で前線や台風の影響などで日照時間が平年並か平年を下回る地域があった。また、昨年春の花粉の飛散量が非常に多くなった反動も大きく、今年の飛散量は昨年・平年を大きく下回ったと考えられる。
東日本も昨年春の飛散量は多かったものの、昨年夏の天候が雄花の生長に適していたため、今年は平年並から平年を上回る飛散量となり、関東や東海の一部では昨年と同程度の飛散量となった。
東北北部から北海道では昨年春の飛散量が平年を下回った反動と夏の天候が雄花の生長に好条件だったことが重なり、昨年・平年を大きく上回る飛散量になったとみられる。
※1 花粉飛散の平年:過去10年間(2014~2023年)の平均