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「50歳で独立」を目標に資格取得や副業で準備を進めてヨガ教室をスタート【セカステReal】

2024.07.24

子育ての終了、役職定年、親の介護、健康不安……。自分の「これから」に向き合うきっかけは、人それぞれ。連載【セカステReal】では、自分らしい生き方を模索し、セカンドステージに歩を進めたワーキングウーマンたちの奮闘、葛藤、感動のリアルストーリーに迫ります。

【セカステReal #️04】前編
定年まであと10年……居心地の良さを手放し「ボディケア」のスペシャリストへ(吉田泉さん・52歳)

Profile
東京在住。大学卒業後、総合電機メーカー、ウェブ運営会社の2つの会社に勤務。2021年退社後、フリーランスでヨガや骨格ベクトレのインストラクターとして活動。2022年10月、自宅に骨格ケアサロンをオープンした。

「50歳」目前、会社員生活にピリオド

吉田泉さんは49歳で会社員生活にピリオドをうち、フリーランスに転身。ヨガインストラクターの傍ら、自宅に身体ケアサロンを開設してからはまもなく2年になります。安定した会社員を辞めて身体にフォーカスした仕事を選んだ理由、そのきっかけやセカンドステージへの準備についてうかがいます。

──2021年、安定した会社員生活を辞めたきっかけは何だったのですか?

吉田さん(以下、吉田):50歳までには興味のある道に進みたい──じつは以前からそう思っていました。社会人になってずっと会社員として働いてきました。前の会社には約20年間在籍して総務部で人事や労務、経理も少し担当していたんですが、そもそもあまり自分には向いていない職種だったので……もう一度その仕事で再就職とは思わなかったです。

これまでの人生、それなりに紆余曲折はあったけれど、基本的には敷かれたレールの上に乗って進んできたような気がしていました。一般的とか平均的とか言われるところに身を置くのが、安全でいいことだと無意識に思っていたんですね。

でもヨガに出会って、なんとなくヨガの世界が好きになって。せっかくなら身体に関わる仕事に挑戦したいと35歳くらいから思い始めていました。そして目標の50歳を前にして、結婚もしましたし、コロナ禍で働き方も変わっていました。今までとこれからを考えたときに、これからは自分の本当に行きたい方向へ歩みたいというシンプルな気持ちに従いました。

──結婚とコロナ禍が背中を押したのですね。

吉田:結婚とかコロナ禍ではなくても、その道に進んだと思います。本当にすべてがそういうタイミングだったのだな、と。夫はサラリーマンを辞めて独立して、自分で会社を経営している人。理解もあって、前から思い描いていたなら、挑戦したらいいよ!って。また私のことをずっと見てくれていた同居している両親も、会社を辞めて新しい道に進んでもいいんじゃない、と応援してくれました。

──安定した会社員生活、未練はなかったですか?

吉田:前の会社は20年勤めていたので、気心の知れた人がたくさんいて居心地もよかった。そこだけはもったいないなと思ったけれど、やはり「50歳」を目標に準備をしてきたから、とっくに辞めることに踏ん切りがついていたんでしょうね。

ヨガとの出会いで得られた人生の方向転換

──セカンドキャリアとして、身体にフォーカスした職種を選ばれました。身体に興味を持ったきっかけは何でしょう?

吉田:前の会社に入ってしばらくしたころ、腰がとても痛くなって。ちょうど人間関係でも少し悩んでいた時期だったんです。ちょっと調子がよくなってよし頑張ろうと思うと、また痛くなる──その繰り返し。その痛さにどんどんメンタルもやられてしまって、嫌なループに入ってるなあ、って。ゴッドハンドを探したり病院に行ったり、いろいろやってみたけど、どこに行ってもいまいちよくならない。

ある日、横断歩道を渡っている途中で、急に腰が痛くなって、一歩も動けなくなりました。「あれ? 私どうしよう! こんなに若いのに」って怖くなってしまって……。これはもう、自分でなんとかするしかない、と思いました。

そんなときに出会ったのがヨガでした。20年くらい前ですね。初めてヨガをやった帰り、なんだかスキップしたくなる気持ちになったのを覚えています。レッスンに通い続けると、みるみる調子がよくなって心身ともに元気になった。自分で身体を動かして整わせると、メンタルまで引き上げてくれる。ヨガってすごいな、ってそれは衝撃的でした。そこからヨガにどっぷりハマりました。

ヨガにどっぷりハマり、友達(写真右)とインドへ修行に。写真中央はインドで教わったヨガティーチャー。

インドのゲストハウスの庭。ガンジス川を眺めながら、瞑想タイム。

──教わる側から教える側に。インストラクターになった理由は?

吉田:教えてもらっていたヨガの師匠がちょうどインストラクターの養成を始めようとされていて、声をかけてもらったんです。まだインストラクター養成講座もあまりなかった時代でした。当初はやる気満々ですぐに講座を受けようって思ったけど、会社員生活ではハードかもしれないと不安になりました。受講料を振り込むときも、もじもじ悩んでいたので、おしりを叩いてくれそうな友達に連絡して「やらない後悔よりやった後悔でしょう」みたいなことを言ってもらって、ようやくお金を振り込みました(笑)。

1年間、毎週土日にスクールに通いました。ヨガの哲学を学ぶといった座学から、実践まで。まさに朝から晩までで、予想通りとてもハードでした。なかでもイントラクションの練習は難しかったですね。お手本のポーズをやるだけじゃなく、口で説明したり、生徒さん役のポーズを正したり。あなたは声が通るのに小さいから聞こえないって先生から毎回チェックが入ったものです。

試験はペーパーテストと実践。なかでもメインはインストラクション。すごく緊張したけど、普段の練習でがんばった甲斐もあって、なんとか合格しました。

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