国内、海外ともに定着しつつある音声コンテンツのネット配信化。ネットを通してダウンロード、もしくはストリーミング形式によってコンテンツを聴くというスタイルは世界共通であるものの、日本国内では、これまでのラジオ番組のような音声メディアのプロが発信するコンテンツが、世界ではYouTuberという名前が広まりつつあった頃の動画配信者のような、これまで音声メディアにかかわってこなかった人が自由に発信するコンテンツが人気を得ている。
本誌7月号の音声メディア特集では、そのような国内の流れ、世界の流れから、国内のラジオコンテンツやその収益性の話、海外の音声メディア配信事情についての話題を中心に紹介したが、国内にもポッドキャスト配信で注目を集め、人気配信者となっているしゃべり手もいる。
そんな国内で人気音声コンテンツ『結婚したい乙女たちのアダルトーク』を配信する、お琴さんとルナさんに、人気獲得までの道のりや、今後の展開について聞いてみた。
そもそも2人の関係は?30代になってもかっこいい女性がいるっていうことを伝えたい
――なぜ、お2人で「ポッドキャスト」を始めようと?
お琴:2019年から20年にかけて、私、アメリカに留学していたんですけど、その時、アメリカでは「ポッドキャスト」が人気で。当時、日本ではまだ「ポッドキャスト」って言葉が広く知れ渡ってなかったように私は感じていたんですけど、アメリカではポッドキャスターって職業が生まれるほど話題になっていて。で、帰国してポッドキャストの配信をしてみたいなと思ってルナを誘いました。
――なぜ、ルナさんと一緒にやろうと?
お琴:理由はふたつあるんですけど、ひとつは私が個人的にYouTubeをやっていた時期があって、ルナも個人的にやっていた時期があって。2人とも1人しゃべりで全然バズってなかったんですけど、その時『2人でしゃべったらおもしろくなりそうだね』なんて話を昔話したことがあったということ。あとひとつは、配信を始めようと思った当時、一番ヒマしてそうだなと思ったのがルナだったので(笑)
ルナ:おっしゃるとおり、ヒマしてました(笑)
――そもそも2人はどのような関係で?
ルナ:出会いは高校の時のイベントですね。当時、いろんな大学の附属高校の3年生の生徒を集めて、渋谷のO-EASTで卒業パーティーみたいな大きいイベントをやったんです。
お琴:会場の手配とか、イベントの企画とかを附属高校の3年生だけでやったんですけど、その時のイベントのスタッフみたいなのを2人ともやっていまして、学校は違うけどイベントの会議でよく顔を合わせていたんですよね。
ルナ:当時のスタッフたちとは、大学に入ってからも社会人になってからもたまに会っていて。そのたまに会うタイミングと、私がヒマそうだったっていう理由だけでね。まさか『ヒマだし、大丈夫だよ』と軽い気持ちで始めたことなのに、会社勤めをやめて音声配信中心の生活になるなんて。人生がこんなに大きく変わるとは思いませんでしたよ。
――立ち上げ当初はどんな感じでしたか?
お琴:始める前に、ホワイトボードに目標みたいなものをたくさん書き出して。ペルソナを設定して。当初私達は、女性たちに30代になってもかっこいい女性がいるっていうことを伝えたいという思いがあって。
ルナ:これから30に向かうという年齢だったので、それを目標に女性向けに始めたんです。アラサーっていう言い方もどうかと思って『結婚したい乙女たち』というタイトルにしました。