FIRE SHOKA STICK(ファイヤー ショーカ スティック)
日本のガラパゴス化は、様々な分野で指摘されているが、消火器についてもそれが言えるようだ。赤いボトルにハンドルが付いた「ABC粉末消火器」は、約60年前の消防法によって設置が義務付けられ、学校やオフィスのおなじみになっている。設置してあるだけで、つい安心してしまうが、操作方法が分かりにくく、さらにガス火災に対応できないなど問題も多い。イタリア製の『FIRE SHOKA STICK』は、これらの問題を解決する消火アイテムとなっている。
「小型の筒状のため持ち運びしやすく、使いやすいのが特長です。先端をマッチのようにこするとすぐに不活性ガスが噴出し、酸素を遮断することで消火します」と、販売元のTCLの谷川伸一さんは話す。
「従来品とは違い、粉末状の消火剤を噴出しないので、消火後の復旧も容易というメリットもあります。粒子が細かい粉末消火剤は、自動車などの機械のほか、PCなどの精密機器に入り込んでしまい、直接噴射しなくても、近くに置いてあっただけで消火後に使用できなくなることもあります」
すでに海外では警察や消防などに正式採用済み。お手頃価格ということもあり、まずは個人的に手に入れて防災対策を整えたい。
現在は消防法によって、従来型消火器の設置のみが義務付けられているが、今後は多くの火災原因に対応でき、使いやすいこの商品に入れ替わっていく可能性もある。
一般的な「ABC消火器」の問題点
ガス系の消火には非対応に加え、粉末を噴射するため、消火後の復旧の手間も問題に。
左:『FSS100SEC』1万9800円
右:『FSS50SEC』1万7600円
噴射時間の違いによる2モデルがラインナップ。100秒のタイプでもサイズは33×4㎝、重量が365gと携帯性に優れている。
初期消火のカギとなる2分間に対応!!
消火の様子。マッチのように端部をこすると、酸素を遮断するガスを噴出。「2分間が重要」と言われる初期消火時に素早く対応できる。
取材・文/今 雄飛