フルミスト
昨年は秋頃から感染者が増え、学級閉鎖が相次いだインフルエンザ。親世代としては早めの子供のワクチン接種を検討したいところだが、注射が苦手な人も多いだろう。そこで注目したいのが、鼻の粘膜に噴霧するインフルエンザワクチン『フルミスト』だ。日本では昨年認可され、今秋から全国の医療機関で本格導入される予定。接種対象は2歳から18歳で、大人は受けられないという。なぜ子供だけなのか? 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター小児科医・堀向健太先生に伺った。
「フルミストは弱毒化インフルエンザ生ワクチンであり、特に小児に対して高い効果を示すことが確認されています。日本ではこういった評価をふまえて限定されているのではないかと思いますが、アメリカやカナダでは49歳まで接種することができ、自分自身で投与できる許可を申請中です」
日本では医療機関の接種となるが、子供への負荷が少なくなることは間違いない。
「注射が苦手な子はもちろん、注射恐怖症の方にも有効と思われます。投与が簡単なので、集団接種にも向いているとされています」
子供でも接種できないケース(下表参照)もあるので注意を。
日本では真新しい存在だが、アメリカでは2003年、ヨーロッパでも2011年から認可されている。欧米同様、数年後には日本も子供への接種が定番となる可能性が高い。
直接鼻の中へ吹き付けることで、鼻の粘膜と体内、両方からウイルスの免疫が獲得できる。
取材・文/高山 惠 イラスト/ながのまみ