「少子高齢化や住宅事情により、大型犬と中型犬の飼育数は減っているものの、小型犬は依然として多く、猫もここ数年で増えています。飼育数全体では減っていますが、市場は拡大中です」と話すのは調査会社インテージの市場アナリスト・木地利光さん。
同社調査によると、小型犬用や猫用のフード関連商品が好調だ。
「調査開始の6年前から販売金額は右肩上がり。健康志向の高級カテゴリーが人気です」(木地さん)
フード以外ではトリミング費用の高騰も目立つ。月2万〜3万円をかけて、映える写真をSNSに投稿する人が多いとか。ペット撮影用に高級カメラに買い替える人も目立ち始めている。
そんな、可処分所得の高い飼い主をターゲットに、異業種からペット市場に参入する企業も増えてきた。特に本業の強みを生かした成功事例が多い。例えば、ライオンがペットのデンタルケア事業へ進出。シャープはモニター機能付きペットトイレを発売している。
直近では、PCやスマホの周辺機器を手がけてきたエレコムが、給水器や給餌器の発売を開始。製紙大手の大王製紙ではペット用の新ブランドを立ち上げた。スクウェア・エニックスは人と一緒に楽しめるキャラクター商品の開発を進めているところだ。
「今後はペットに対する健康志向が強まることが考えられます。飼い主の負担を軽減したり、人とペットが一緒に楽しめたりすることも重要になるでしょう。ペット向けの災害用品も需要が増えるのではないでしょうか」(木地さん)
周辺機器業界から参入
自動で〝ろ過〟して水を清潔にキープ
エレコム『フィルター式自動給水器』5480円
PC機能を応用したおもいやり設計
エレコム『自動給餌器 1ボウルタイプ(4L)』7580円
今年1月からペット家電市場に参入。ペットと安心・安全に暮らせる商品の提案を目指し、第1弾として発売したのが、タイマー機能の付いた自動給餌器、自動給水器、ペット用フードスケールの3製品である。タイマー付きの自動給餌機は給餌の時間や量、回数を細かく設定できるため、愛猫や愛犬の食事を管理するのも簡単だ。
製紙業界から参入
有名メーカーの信頼と安心感で人気
エリエールPet キミおもい『のびのび動けるアクティブウェア』
直販価格2046円(Sサイズ以下)〜
大王製紙が立ち上げた、ペットのための新ブランド「エリエールPet キミおもい」。該当製品は動物行動学の知見を蓄積し、飼い主視点からの研究を重ね、犬や猫の感覚・習性に合わせて設計・開発された。特に『アクティブウェア』はペットとの外出時などに最適。『消臭シート』や『ウエットティシュー』なども展開している。
ゲーム業界から参入
ペットと一緒に〝推し活〟を楽しむ
©ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX
スクウェア・エニックス『DRAGON QUEST Petsドーム型ペットハウス スライム』(仮称)
同社ペットグッズブランド「SQEX PETs」は「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「キングダム ハーツ」の3シリーズ展開。キャラクターや世界観をイメージしたリード、バンダナ、ウエア類を発売予定(※)。
※商品は開発中。状況により販売しないことも。
保険業界から参入
加入が簡単でポイントも付く
PayPay保険サービス『これだけペット』
毎月の保険料490円(お手軽プラン・猫3〜5歳)〜
『これだけペット』は月額490円から加入できる、業界最安水準の注目ペット保険だ。加入のための面倒な手続きを省いて、スマホの画面から簡単に申し込める。また、PayPayポイントが保険料の1%分、付与されるのもうれしい。
取材・文/柿川鮎子
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2024年5月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。