2024年4月からDIMEにて連載が始まった「マンガでわかる生成AI」の原作を担当している、アステリア株式会社、および生成AI協会(GAIS)のエバンジェリスト、森一弥です。
今回は会社で生成AIを使う際に避けて通れない、著作権の話を考えてみたいと思います。
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結局のところ生成AIって使っていいの?
会社や所属している組織での業務として生成AIを利用している方はどのくらいいるでしょうか? 最近はChatGPTをはじめとしたテキストの生成AIでさまざまな画像を生成することも一般的になってきましたよね。音声や音楽、3Dモデルなでも作成できるようになってきました。しかし、この生成した画像をはじめとするコンテンツをそのまま公開する資料に含めたり、生成画像を元にしたポスターやWebサイトを作成したりすると著作権的に問題になるかもしれません。
AIをめぐる著作権の話は文化庁のサイトに講習の資料や動画があるので、こちらを見ていただくのが良いかと思います。
とはいえ、こちらのセミナーを見ても「で、結局のところ生成AIって使っていいの?」という疑問に白黒つくわけではありません。法律が作られた当時は生成AIは存在していなかったので、当然といえば当然ですよね。
さて、著者は法律の専門家ではありませんが、上記のセミナーの内容を踏まえた上で「こんな場合はどうなんだろう?」というのを考えてみました。 専門家としての見解は、こちらの記事もあわせてご覧いただくことをおすすめします。
生成系AIが作ったイラストや文章に著作権はあるの? 専門家に聞いてみた、デジタル時代の著作権の在り方【前編】
生成AIで作成したコンテンツには著作権はあるの?
これは「無い」という見解になることが多そうです。現行の著作権は基本的に「人間」が作ったものに発生するので、生成AIによるプログラムが生成したコンテンツには発生しないとのこと。ただ、生成するための「プロンプト」を人間が作ったのであればそちらには著作権が発生するはずです。ということは、例えば画像生成AIでぱぱっと作られた美麗画像には著作権がなく、フリー素材と同様に使えるけれど、その画像を作ったプロンプトを手に入れて、自分で生成した画像を(プロンプトの)作者の許諾なく公開するというのは、まったく違う画像だとしてもNGということになるのでしょうか?
この場合、美麗画像の作者がプロンプトをめちゃくちゃ駆使して何度も創意工夫を繰り返して作ったものであれば「思想または感情を創作的に表現したもの」となることも考えられるので、著作権も発生しそうではあります。
なので、厳密にはケースバイケースということではないでしょうか。