なぜ人気?若い世代と海外を取り込む最新日本酒トレンド
最近の日本酒のトレンドを、日本酒造組合中央会の理事・宇都宮仁さんに聞いた。
■「甘い、フルーティー、ジューシー」がカギ
味については、人気の傾向は「甘い、フルーティー、ジューシー」の3点だと話す。マスカットやリンゴなど果実を思わせる香り、甘酸っぱさ、爽やかさ。日本酒の入り口として、特に若い人や女性に好まれる3要素である。
■日本酒でも進む〝低アルコール化〟
また、低アルコール化も進んでいる。日本酒のアルコール度数は15度前後が多いが、最近は12度、さらには7~8度と10度以下の日本酒が増えてきた。このあたり、ビールや焼酎など他の酒類にも共通する傾向だろう。
■日本酒ツーリズムへの注力
業界全体として、若い人とインバウンドを見据えた日本酒ツーリズムへも注力している。
「特に、小さな酒蔵は生産量が少なく、流通が限られます。小さい蔵ほど、お客さんに現地に来ていただいて飲んでいただきたいものです。蔵の見学ができる体験型の蔵元も増えていますよ」(宇都宮さん)
日本酒造組合中央会の理事、宇都宮仁さん。「イベントで好みのお酒を見つけたら、家でも楽しんでくださいね!」
日本酒ツーリズムのポータルサイトもローンチ。銘柄、ラベル、地域、味の好みなどさまざまなキーワードからおすすめ酒蔵を検索できる。イベント情報も掲載されており、日本酒ファンはもちろん、旅先探しの際にも参考になる。ワイナリーやビール工場のように、旅行ルートに酒蔵を組み込んだツアー商品も、今後は期待されるところだ。
今年も暑い夏が来た。この夏は、日本酒でキリッと一杯いかが?ユネスコ無形文化遺産に登録された暁には、伝統的酒造りとはなんぞやを肴に飲んでみたいものである。
取材・文/佐藤恵菜