裁判所のジャッジ
裁判所
「セクハラ上司は慰謝料50万円を払え」
「会社は5万円払え(写真撮影について使用者責任)」
裁判所は、セクハラ上司の盗撮行為とタクシー内でのセクハラ行為については認定してくれたのですが、残念ながら女子トイレ前での不審な行動については認定してくれませんでした……。「Xさんの主張を裏付ける証拠はない」との理由です。セクハラ上司の不審な動きを撮影できれば慰謝料が上がっていたことでしょう。
タクシー内のセクハラについては、Xさんは「キスしようとしてきました。私がタクシーを降りたあとも家までついて来ようとしました……」と主張したのですが、セクハラ上司は否認。裁判所は「Xさんの主張を裏付ける証拠はない」と判断しました。
■証拠が命
以上のように、裁判では【証拠が命】です。セクハラ上司と2人きりになる時は、スマホで録音しておきましょう。
たとえば、上司が接触しようとしてきた際に「ちょっと!触らないでください!」などと発言しておけば、裁判では「触ろうとしていた」と認定してくれる可能性が高いからです。
今回でいえば「ついて来ないでください!」と発言していれば、家までついて来ようとしていた、と認定されたかもしれません。
■ 証拠を残す工夫
セクハラされた直後に、誰かにLINEしておくのも手です。そういったLINEを証拠としてセクハラが認定された裁判もあります。
今回は以上です。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。法律コンテンツを作ることが専門の弁護士。
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