KDDIは、2024年の登山シーズンにおいて、ワイヤ・アンド・ワイヤレス協力のもと、衛星ブロードバンドStarlinkを活用した「山小屋Wi-Fi」の設置場所を、日本百名山を中心とした100か所の山小屋へ拡大。
加えて、「山小屋Wi-Fi」を30日間利用できるpovo2.0利用者向けの新料金プランや、山の天気を確認できるライブカメラを導入すると発表した。
山小屋においてもキャッシュレス決済、ネット予約が可能に
剱岳 真砂沢ロッジに設置されたStarlinkアンテナ
電源につなぎアンテナを空に向けるだけでインターネットに接続できるStarlinkによって実現する、山小屋での有料Wi-Fiサービス「山小屋Wi-Fi」は、山岳DXを推進するべく、2023年に12か所から開始された。
電波の届きにくい山小屋において、防災/天候情報の収集、家族/友人との連絡、SNS投稿、キャッシュレス決済、ネット予約などを可能にするインフラとして注目を集めている。
山小屋で天気を確認
山岳地域においては、地形や積雪などの理由により光ファイバー回線の敷設や通信環境の整備が困難とされるエリアが多数存在しており、場所によってはスマートフォンを使用するために山小屋から離れて電波をつかむエリアまで一時下山する必要があるなど、緊急時の連絡が難しいといった課題があった。
■日本アルプスエリアの日本百名山のうち、約7割の山において利用が可能に
今回の設置場所拡大により、「日本列島の屋根」とも呼ばれ、多くの登山者を惹き付ける日本アルプスエリアの日本百名山のうち、約7割の山において、「山小屋Wi-Fi」が利用可能となるという。
登山界で最も権威があるとされるピオレドール賞を受賞した登山家として、数々の山と山小屋に訪れ、現在は自身も複数の山小屋を運営している花谷泰広氏は以下のように述べている。
「弊社が運営する山小屋でも山小屋Wi-Fiを導入しました。安定した通信環境による山小屋運営の効率化はもちろんのこと、登山者が情報収集や緊急時の連絡手段としても活用できるようになり、安全性の向上に貢献しています。登山環境をより良いものにするため、さらなる拡大を期待しています」
山小屋Wi-Fiの拡大について
(1)設置場所を100か所に拡大
2024年の登山シーズンでは、「山小屋Wi-Fi」の設置場所を大幅に拡大。日本アルプスエリアを中心とする100か所の山小屋で「山小屋Wi-Fi」が利用可能になる。
<設置場所例>
北アルプス:槍ヶ岳、穂高岳などの山小屋31か所
中央アルプス:木曽駒ヶ岳などの山小屋5か所
南アルプス:北岳、赤石岳などの山小屋23か所 など
※山小屋ごとに設置スケジュールは異なるため、最新情報は各山小屋へ問い合わせを。
(2)料金プランを期間限定追加
現在、利用中の通信事業者を問わず誰でも利用可能な「山小屋Wi-Fi」料金プランとして、2時間プラン(300円)と24時間プラン(600円)が提供されている。
なお、au利用者は無料でアクセス可能。
今回、基本料金0円のオンライン専用プランpovo2.0限定で、「山小屋Wi-Fi」30日間のプランを期間限定で提供。長期間の滞在や、何度も登山される利用者におすすめだ。併せて24時間のプランと、povo2.0のデータがセットになった料金も提供される。
※povo2.0限定プランの場合、山小屋Wi-Fiが利用できる引き換えコードが購入後5日以内にメールで届く。購入直後からは利用できないので注意が必要。
(3)山の天気をライブ配信
ライブカメラ設置イメージ
ウェザーニューズの協力により、山の天候を視覚的に確認できるライブカメラを2024年8月以降、長野県蓼科山頂ヒュッテに導入する。
「山小屋Wi-Fi」を活用して、リアルタイムに山小屋からのライブ映像を配信することで、天候の変わりやすい山の中腹や登山道の様子を確認することが可能になった。
ライブカメラ映像イメージ
ライブカメラ映像は、ウェザーニューズアプリおよびauスマートパスアプリにて無料で順次公開される。またライブカメラを設置する山小屋も順次拡大される予定だ。
関連情報
https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-171_3437.html
構成/清水眞希