インフレで身の回りの価格が上がっている。その生活防衛手段として株式の株主優待を利用してみてはどうだろうか。
物価高の影響はどのぐらい?
6月に公表された2024年5月分の月次消費者物価指数(CPI)は、2020年を基準として8.1%上昇、前年同月比で2.8%上昇した。物価上昇に特に影響したのは、電気代、都市ガス代等のエネルギー、生鮮食品を除く食料品、家庭用耐久財、宿泊料の価格上昇だ。2023年の年平均では、2020年を基準とすると6.3%上昇、前年比では3%上昇した。例えば、世帯の年間の生活費が360万円(月30万円)とすると、2020年を基準として生活水準が変わらなければ世帯当たりの生活費は2020年から年間約29万円(月あたり約2万円)支出増加したことになる。前年同月比で比べると年間約10万円(月あたり約0.8万円)の支出増加だ。
一方で、収入もあがっており、名目で(物価上昇の影響を考慮しない労働者が実際に受け取る額面)前年同月比6.4%増加している。しかしながら、2人以上世帯の消費支出は名目(物価上昇の影響を考慮しない支出)で前年比1.4%上昇だが、実質(物価上昇の影響を考慮した支出)は1.8%減少と、実際は2%近く家計の支出を減らしていることがわかる。その内訳は、野菜、海藻、酒類、調理食品、教育娯楽、水道光熱費、自動車関連費の支出を減少させている。
したがって、収入は上がってはいるものの、実際家庭では物価上昇や円安に伴い、支出を抑えていることが多いと分かる。
物価高に対抗する優待とは?
節約するのも大事だが、株式を保有していることで受けられる株主優待を利用することでお得に普段の生活を送るという手もある。普段自分が利用しているスーパーやドラッグストアの株式を保有して、割引券や金券を受け取ることができれば普段の生活をお得にすることができる。
以下おすすめの優待がある株式を紹介する。
※最低投資金額は7月11日終値で計算。
株式には変動リスクがあることに注意
株式には投資した金額より値下がりしてしまうリスクがある。お得な株主優待を買っても、元本が大きく割れてしまっては得した分より損してしまう可能性がある。なお、株主優待は権利月までに株主になっていないと直近の優待を受け取れない。そのため、直近の株主優待を受け取るためには、権利月の月末から3営業日前までに株式を購入する必要がある。
また、株主優待をせっかく受け取っても、優待は利用しなければ意味がないので、普段利用しているスーパーなどに優待がないか調べてみるのがおすすめだ。また、地元にしかないようなチェーン店でも、スーパーやドラッグストア、ホームセンターの場合、大きなグループの傘下になっていることも多く、そのグループの株式を購入すれば割引等を受けられるので、普段利用しているお店がどのグループの傘下にあるかも調べると良いだろう。
(参考)
総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数CPI 全国2024年5月分
zenkoku.pdf (stat.go.jp)
2020年基準 消費者物価指数CPI 全国2024年5月分
zen-nd.pdf (stat.go.jp)
総務省統計局 2024年(令和6年)5月分 家計調査
統計局ホームページ/家計調査報告 ―月・四半期・年― (stat.go.jp)
文/大堀貴子