真夏に野外でお酒を飲むときの5つのルール
ビジネスパーソンにとって、真夏はビアガーデンやバーベキューなど楽しいイベントも増えてくる。しかし屋外での飲酒は特に熱中症リスクを高める。次の5つのルールを押さえて、熱中症をしっかりと予防しよう。
1.お酒を飲む前に少しお腹を満たしておく
2.お酒以外の飲み物で水分補給をする
3.日陰や屋内などを涼しい環境で休憩できる場所を用意する
4.お酒だけでなく、おつまみなどと食事もきちんと食べる
5.時差熱中症に注意する
まず知っておきたいのは、アルコールには利尿作用があるため、脱水になりやすい点だ。
ポイントになるのは先に紹介したように、水分や塩分を摂ること。お酒を飲む前に少しお腹を満たしておき、飲み始めてからはお酒以外の水やウーロン茶などでこまめに水分補給をしておくこと、そして塩分を含むおつまみなどを食べることを心がけたい。
また、時差熱中症にも注意が必要だ。
時差熱中症とは、時間差で起きる熱中症のこと。熱中症は約24時間以内の暑さが影響することから、症状が時間差で現れることもあるという。
もし約24時間以内に暑さにさらされた後で、頭痛や吐き気、食欲不振、身体に力が入らないなど、いつもと違う症状を感じたら熱中症を疑おう。そして悪化しないよう、症状に応じてしかるべき対処をしたい。
猛暑はすぐそこに迫っている。正しい知識を身に付けて、熱中症予防をしっかりと行い、パフォーマンスを下げないようにしたいものだ。
【取材協力】
谷口 英喜氏
済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長、医師
麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理のエキスパート。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。2024年5月に新刊『熱中症からいのちを守る』(評言社)が刊行。その他の著書『いのちを守る水分補給~熱中症・脱水症はこうして防ぐ』(評言社)など。
文/石原亜香利