再生プラスチックを採用~日立のスティッククリーナー
日立も数々のデザイン家電を生み出しており、2022年度のグッドデザイン賞を家電5製品が受賞するなど、注目されている。
中でもスティッククリーナーは、再生プラスチックを採用するなど、環境に配慮したデザイン家電だ。
●デザインのこだわり
スティッククリーナー「PV-BH900SL」について、デザインのこだわりを聞いた。
「プラスチックは成形が容易で耐久性に優れ、家電製品をはじめとしたさまざまな製品で長年に渡り利用されてきました。一方で、その大量廃棄は、世界規模の環境問題を引き起こす要因ともなっています。本スティッククリーナーでは、外観部品や付属品など多くの部品で再生プラスチックを採用し、質量比40%以上使用しています。再生プラスチックは、材料中の異物が外観に現れることで意匠的な課題が生じる場合があります。そこでダークトーンを基調とし、樹脂の種類や表面のテクスチャーを使い分け、部品ごとのコントラストを生み出すことで高品質に仕上げました。さらに塗装や印刷などの二次的な加工を極力排除し、樹脂材料のリサイクルを可能にすることで高度循環社会の実現を目指しています」
●デザインによってもたらされる持続可能な価値
本製品をはじめとして、家電のデザインによってどのような持続可能な価値をもたらしてくれるだろうか。
「製品デザインにおいては、再生プラスチックの活用や製品の廃棄・リサイクル時に異物の原因となりやすい塗装や印刷などの二次的な加工を極力排除することで、リサイクル性に配慮し、高い品質感とリサイクル性を両立したものづくりを推進しています。
こうした資源循環への取り組みを通じて、お客さまの暮らしに寄り添う生活パートナーとして、ウェルビーイングで心地よい暮らしや持続可能な社会の実現につなげたいと考えています」
家電は一定期間使い続けるものであり、ユーザーとしてはそれほど、リサイクル性を考えるきっかけがないものだ。再生プラスチックを使用していると知っただけで、使い終わった後の家電の未来についても想いを馳せることができるだろう。
デザイン家電は、ただおしゃれでかっこいいだけでない、快適さやクリーニングのしやすさ、リサイクルのしやすさなどの特長も備える。新たな視点で、サステナブルなデザイン家電を選択してみるのもよいのではないだろうか。
文/石原亜香利