家電製品の中でも、一際、デザインにこだわった家電は、外観の魅力から機能設計まで、多様な仕掛けがある。近年は『持続可能性(サステナビリティ)』の観点から「長く使える」「環境に配慮されている」特徴を施す製品も増えており、ユーザーにとってもメリットがある。
今回は、ウォーターサーバーの中でもデザイン性に優れる富士山の銘水の「FRECIOUS(フレシャス)」、大手家電メーカーPanasonicと日立のデザインにこだわった洗濯機やスティッククリーナーの持続可能性を探った。
10年前からサステナブルなデザインに~ウォーターサーバー「FRECIOUS dewo」
富士山の銘水のフレシャスは、ウォーターサーバーの中でもいち早くデザイン性に着目したことで知られている。現時点でも、他社製品と比べてシンプルながら洗練された見た目と機能性が目立つ。
今年5月に開催された代表的な製品「FRECIOUS dewo(フレシャス デュオ)」の10周年記念レセプションでは、機能の変遷が伝えられた。
機能面、外観ともに先進的なデザイン設計を実現したことで多くの需要を満たし、デザインに関する総合的な評価の証となるグッドデザイン賞も複数回、獲得してきた。
実は、誰もが使いやすい安全性向上、省エネ、廃棄物削減といったサステナビリティへの追求は、10年前から行っていたという。
●サステナブルなデザインのポイント
同社の取締役 溝内竜士氏は、デザインにおける持続可能な取り組みについて、次のように答える。
「安全性への配慮として、小児の手が届かない場所、小児の視角から見えない位置にボタンを配置し、力の弱いユーザーでも扱いやすい小型パックを搭載。また省エネ機能を備えています。温水温度を低くするエコモード、周囲が暗くなったら自動的にヒーターの電源がオフになるSLEEP機能、さらに従来はつながっていた温水と冷水タンクを分けるデュアルタンク構造によりタンク同士の熱干渉が激減し、大幅な節電に成功しました。
廃棄物を少なくすることも考えています。水容器は使い捨てのワンウェイパックを採用。再利用可能なガロンボトルはエリアが限られており、全国展開しようとするとワンウェイボトルやパックが必要です。10年前の当時の主流は12リットルのペットボトルでしたが、使い終わったら廃棄が必要でした。これは廃プラスチック問題を考えるとよくないことですので、リサイクル可能なビニールパックを使用しております」
●デザインにまつわるユーザーにとってのメリット
デザイン家電としてフレシャスを利用することで、ユーザーはどのようなメリットが得られるだろうか。
「デザインそのものの心地よさがあると考えています。給水レバーの位置が高い、目線の位置にボタンがあるなど、使い勝手が良い快適さがあります。奇抜なデザインではなく、機能性と見た目の美しさを両立させることを、プロダクトデザイナーの安積伸さんがうまく行ってくれたと思っています。またウォーターサーバーは日常的に使うものなので空間の一部となり、環境に溶け込むデザインほど、メリットがあるのではないでしょうか」
優れたデザインはただおしゃれなだけでなく、快適さや機能性も提供してくれるとわかる好事例といえそうだ。