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使い勝手のよさを追求して進化したホンダの新型「フリード」はコンパクトミニバンの市場をどこまで広げられるか?

2024.07.14

電子パーキングブレーキとメモリー付きオートブレーキホールド機能を新搭載

e:HEVとともに新型フリードで注目すべきは、ついに電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が備わったこと。運転席足元がすっきりするだけでなく、ACCの停止保持機能(渋滞追従)、走行時の一時停止でブレーキを踏み続けなくてよくなるなど、メリット絶大。しかも、オートブレーキホールド機能はヴェゼルから採用されたメモリー付きとなり、エンジン/パワーを切ってもそのままオートブレーキホールド機能が保持される使い勝手の良さがある。

ライバルのシエンタにない6人乗り2列目キャプテンシートを用意

ミニバンの最重要項目となるパッケージング、空間価値も優秀だ。ホイールベースを先代比で45mm拡大し、2列目席空間も前後に30mm広めている。シートレイアウトは、ステップワゴンやシビックに使われるボディスタビライジングシートを採用した1列目席背後に、メインとなる6人乗りの2列目キャプテンシートと、7人乗りとなる2列目ベンチシート (エアーのFFのみ)を用意するほか、新型ではクロスター限定で大容量コンパクトワゴンと呼んでいい5人乗りの2列シート仕様も揃う。

3列シートのパッケージ

2列シートのパッケージ

ライバルのシエンタも2列シート仕様を用意しているが、2列目席はベンチシートのみ。より贅沢で快適なかけ心地、居心地となる左右独立のキャプテンシートが選べるのはフリードのほうである。つまり、1-2列目席スルー(シエンタでもOK)に加え、1-3列、2-3列目席スルーが可能になるのもフリードということ。後席の乗員や愛犬のケアのしやすさでも抜きん出る。

3列目席は大人も座れる快適性を継承しさらに進化

3列目席の考え方もシエンタとは異なる。それは3列目席の格納方法とも関連するのだが、フリードは歴代、左右跳ね上げ式を採用。一方、シエンタは初代から2列目席下にダイブイン方式で格納する方法をとっている。結果、3列目席に十分なサイズが与えられるのはフリードで、シエンタは3列目席下に滑り込ませる事情から、左右幅が狭い3列目席になり、緊急席的なシートになってしまうのである。よって、3列目席左右肩口を先代より左右で65mm広げた、大人でも無理なく座れる(低めのヒール段差=フロアからシート座面までの高さは先代同等)3列目席としての実用度では、フリードがリードすることになる。

ただし、先代フリードの3列目席の格納は、高い位置に跳ね上げ、車体後部から遠い位置で跳ね上げベルト固定するため、小柄な人だと格納操作はシートの重さもあり、しんどかった。が、新型では子育て世代の女性デザイナーが手掛けただけあって、3列目席の軽量化とともに跳ね上げ格納位置を90mm下げ(格納した3列目席上端地上高1390mmに)、なおかつベルト固定個所を手前に配置。小柄な人でも無理なく格納操作が行えるようになっているのである。

その3列目席の格納方法の進化は、面積が1.5倍に大きくなったリヤクォーターウインドーの視界にも貢献。格納位置を低めたことで、先代では格納した3列目席で塞がれていたリヤクォーターウインドー上部に約80mmの視界、明り取り部分が出現。3列目席の解放感を高めるとともに、3列目席格納時の車内の明るさ、斜め後方視界の確保にも役立つことになる。加えて、格納した3列目席を薄型化したため、左右格納部分の幅が先代比で160mm広がったのもニュースである。

また、クロスターにのみ用意される2列シートモデルは後席ダブルフォールダウン機構によって、先代同様に、上下2段で使え、車中泊にも適するフラットな大空間が創出できるのがポイント。後席をフラットにアレンジすれば、全長1840mmのスペースが出現。お座敷、ベッドスペース(ニトリの折り畳みマットレスがジャストに敷ける)として活用できる。

ついにクラス初の後席用クーラーを新設定してライバルをリードする

ステップワゴンのようなMクラスボックス型ミニバンでは、車内空間の広さから、2/3列目席の頭上にもエアコン吹き出し口があるのが普通だ。しかしコンパクトミニバンではコスト面からも、後席用エアコン吹き出し口は装備されなかった。ところが、新型フリードでは、クラス初の、前席でも操作できる後席用クーラー(暖房も行えるエアコンではない)を天井に新設定。シエンタはそこがサーキュレーターだから、後席の、とくに暑い時期の空調環境面では新型フリードが大きくリードすることになる。もちろん、リモート機能を始め、SOSコール、トラブルサポートなどのコネクティッド機能も充実させている。

新型フリードはエアーか、クロスターか・・・でまず悩みそうだが、実車に触れた印象では、常に7人でクルマ移動する・・・というケースを除き、時代に即したハイブリッドのe:HEVモデルの2列目席キャプテンシートの6人乗りを、声を大にして推奨する。もちろん、大容量コンパクトワゴンとしてアウトドア、車中泊で使いたいなら、クロスターのe:HEV 2列シート、5人乗りが最適だ。いずれにしても新型フリードの進化は目覚ましく、初代からの「ちょうどいい」を超越したコンパクトミニバンの誕生であると断言したい。愛犬家の愛車、ドッグフレンドリーカーとしても最高である。

新型フリードの試乗記、ライバルのトヨタ・シエンタとの比較については、改めて報告したい。

文/青山尚暉
写真/ホンダ 青山尚暉

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