■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
北海道・積丹半島の付け根に位置する余市町に、夏季限定のグランピング施設「余市ヴィンヤードグランピング」がオープンした。
2019年より営業していた「余市ヴィンヤードグランピング」の運営権を2024年に「株式会社nuy」(以下、nuy)が取得。既存施設を利用し、プランを刷新したのだ。
▲余市町ブランド豚の肩ロース、鹿肉バーガー、チキンステーキ、牛ロース、焼き野菜、海鮮など。写真は2人前
新生「余市ヴィンヤードグランピング」ではより”余市”らしさを打ち出したプランを用意。酒と食で地域を盛り上げる施設に生まれ変わった。
余市では昭和50年代よりワイン用のブドウ生産がはじまり、今ではそこかしこでブドウ畑を見られる。
「余市ヴィンヤードグランピング」のすぐそばには余市のワインを世界に知らしめた「ドメーヌ・タカヒコ」が構えている。
余市は蒸留所のおかげでウイスキーのイメージが強いが、「ドメーヌ・タカヒコ」で学んだ人たちが周辺でワイナリーを開業しており、ブルゴーニュのような小規模でも優良な作り手が多く集まるワインの町でもあるのだ。
もともとnuyの代表、榎本順彦さんはワインバーを経営しており、共同創業者の千葉祐輔さんもウイスキーエキスパートの資格を所持。余市に大きな可能性を感じていたという。
「余市はウイスキーもワインも品質が高く、世界的な評価を受けています。けれども評価が高いゆえに近年では希少かつ高価になっていて、余市のお酒を地元で気軽に飲める場所として、グランピング場をリニューアルすることにしました。
一時期のグランピングブームは下火になった印象で、この業態自体に大きな魅力があるとは思っていません。しかし、建物費用のかからないテント営業であるがゆえに価格を下げやすく、また自然豊かなロケーションは外飲みに最高。
最終的には1本約8000円のシングルモルト余市が飲み放題、飲食店ではグラス1500円くらいするワインも飲み放題、地元食材メインのリッチなBBQと朝食もついて一人一泊1万円台からという割安プランができました」とはnuyの千葉祐輔さん。
▲宿泊プランはすべて「余市ワインとシングルモルト余市の飲み放題」と「北島豚や余市産鹿肉のBBQ」付き
▲ワインやウイスキーの説明があるのでワインやウイスキーに馴染みのない人も選びやすい
▲こちらは余市名産のトマトやりんごのリキュール。ほかにもノンアルコールの余市産フルーツジュースも用意している
ワインは赤白6種類でフルーツ酒3種、生ビールなどが17~23時、翌7~10時まで飲み放題。シングルモルト余市は18~20時の限定提供だ。
「普段高級な飲食店やバーに行く習慣のない人も、このグランピング場で上質な余市のお酒を好きなだけ飲み比べ、余市のお酒っておいしいんだなーと感じてもらいたいですね」(千葉さん)
なお、飲み放題プラン対象外の酒も用意しており、酒店を巡ってもなかなか手に入らないワインと出会うことも。これも楽しみと言える。