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新品よりくたびれているのになぜ?パタゴニアの古着が若者から支持を集める理由

2024.07.16

連載/大森弘恵のアウトドアへGO

登山やサーフィン、釣りといったアウトドア活動をサポートする高機能ウェア&パック、健康的な暮らしに役立つ普段着と食品など幅広く自然環境と人々の健康に配慮したモノ作りで知られるパタゴニア。

“環境に配慮”という言葉は耳障りがいいけれど、正直、わかりづらくとっつきにくいイメージがある。

パタゴニアでは90年代より「ペットボトルからフリース作り」「廃棄漁網からジャケット」など多くの人がイメージしやすいよう表現。身につけるモノを通して、身近だけれど根深い問題を提起している。

▲ポップアップストアは「パタゴニア 東京・渋谷」2階で展開(Photo Credit:©yutakono)

今年5月より展開している「パタゴニア東京・渋谷」の「Worn Wear ポップアップストア」もパタゴニア流問題提起のひとつ。

長く着続けるかっこよさを紹介しつつ「中古ウェアを買う→修理→買い取りに出す・回収→中古品やアップサイクル製品の再販→修理→…→寿命がきたらリサイクル」という資源循環の輪に、だれもが気軽に参加できる取り組みだ。

▲リペアイベントではミシンを使った簡単な補修をその場で行ってくれる。技術力の高さに見惚れる人は多い

▲「Worn Wear ポップアップストア」を案内してくれたPRのロジャースさん

「パタゴニアの製品は素材によりますが丈夫で、使い方次第ですが正しいお手入れと修理をすれば5〜10年、それ以上着続けられます。

ポップアップストアでは日時限定で、自分で修理したりその場で技術者が穴空きを補修するリペアイベント、着古したTシャツやてぬぐいで袋ものに変えるアップサイクルイベント、そして着古したウェアの買い取りイベントを開催しています。

なかでも中古品を公式に買い付けて、それをポップアップストアで再販するのは初の試み。

これをきっかけに資源循環に興味をもっていただければ」(ロジャースさん)

現在はファストファッションが台頭し、家電は10年しないうちに修理できないと突き返されることが珍しくない。

劣化したら買い替えを促し、経済を回そうという考え方だ。

けれどもロジャースさんは「パタゴニアでは壊れにくいモノを作り、修理、買い取り、再販という循環の輪を大きくしようとしています。修理することはなんら新しいことではないけれど、現在の社会構造の逆。いずれ(早いサイクルで買い替えを促す)構造を変えていきたいのです」と続けた。

創業50年を超え、ブランドとしての地位を確立しているにも関わらずゲームチェンジャーであり続ける。その心意気がスゴイ。

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