動物用のウエルネスフードの実現がテーマのひとつに
動物と人の予防医学研究会では発足当初から大きなテーマをもっていると言う。一つ目は学術会議などを通じて、埋もれてしまいがちな研究の情報発信と、社会実装をはかること。さらに、そうしたことを可能にできるような人材の育成。また、人のトクホや機能性表示食品などに相当する、動物用ウエルネスフードというカテゴリーとシステムの確立を図ることを目指している。
「動物用ウエルネスフードのニーズは大きく、将来は人間のトクホや機能性食品などのような制度をつくりたいと考えています。現在、研究会のなかでワーキンググループを作って検討を始めている段階で、第三者規格基準や認証制度などの、システム整備などの研究も行っています」と、すでに具体的に活動が進んでいた。
「研究会はスタートしたばかりですが、私達は健康で幸せな生活を達成するために、今後も活動していきたいと考えています。幸せを感じながら生きることが大切だと信じています。幸せや安心といったものはこれまで科学的でないと言われてきましたが、そうではなくて、きちんとした評価指標を用いた科学的根拠をもって求められるものだと思い、研究テーマとしていきたい。
健康で幸せに生きるためには、やはり予防が大事です。ゼロ次予防を含む予防医学の推進、未病やさらにその前の段階にもアプローチしていきます」と中江先生は語ってくれた。
動物と人の予防医学研究会という名前から、人獣共通感染症予防やワクチン研究などを予想していたが、人と動物がともに幸せになる研究なら、ゲームでも良いという、とても懐の深い研究会だった。賛助会員も紀文食品やヤクルトなど食品会社から薬品、ペット業界、大学まで幅広い。これからどんな人と動物の幸せを実現してくれるのか、中江先生の活躍と共に、研究会から目が離せない。現在、研究会では一般会員・学生会員・賛助会員を募集中。詳しくは下記事務局まで。
動物と人の予防医学研究会
<mailto:info@animal-human-preventive-medicine.com>
医師・医学博士
中江大Dai Nakae先生
日本毒性病理学会認定 毒性病理学専門家
Fellow of International Academy of Toxicologic Pathology
日本病理学会認定 病理専門医・病理専門医研修指導医
日本医師会認定 産業医
社会医学系専門医協会認定 指導医・専門医
内閣府食品安全委員会・厚生労働省・医薬品医療機器総合機構 専門委員
国際生命科学研究機構(ILSI Japan)・レギュラトリーサイエンス学会 理事
日本食品化学研究振興財団 評議員
International Academy of Toxicologic Pathology Asian Pacific Director
日本癌学会・日本毒性病理学会 名誉会員、日本病理学会・日本毒性学会 功労会員、
American Association for Cancer Research・Society of Toxicologic Pathology Emeritus Member
文/柿川鮎子