今夏も数多くの欧州クラブが日本にやってくる
伊東純也と中村敬斗が揃って日本で見られるかもしれない(筆者撮影)
毎年恒例になりつつある夏場の欧州クラブの日本凱旋試合。2023年夏はマンチェスター・シティやパリ・サンジェルマン、バルセロナ、バイエルン・ミュンヘンといった超トップクラブが次々と来日し、欧州サッカーファンを惹きつけたが、今年の夏も多くのクラブがやってくる。今から何を見るかを熟考しておくことが肝要だ。
Jリーグ主催のワールドチャレンジはトッテナム、ニューカッスル、シュツットガルト
真っ先に目を向けるべきなのは、Jリーグが主催する「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2024」。来日するのは、23-24シーズン・イングランド・プレミアリーグ5位のトッテナム・ホットスパー、同7位のニューカッスル・ユナイテッド、ドイツ・ブンデスリーガ1部で2位と大躍進を遂げたシュツットガルトの3チームだ。
7月27日のヴィッセル神戸対トッテナム戦(東京・国立競技場)を皮切りに、28日の京都サンガ対シュツットガルト(亀岡・サンガスタジアム)、31日の浦和レッズ対ニューカッスル戦(埼玉スタジアム)、8月1日のサンフレッチェ広島対シュツットガルト戦(エディオンピースウイングスタジアム広島)、3日の横浜F・マリノス対ニューカッスル戦(東京・国立競技場)の5試合が行われることになっている。
トッテナムはご存じの通り、かつて横浜を指揮したアンジェ・ポステコグルー監督が率いるチーム。韓国代表のエース・ソン・フンミンも帯同する予定で、3クラブの中では最も身近と言っていい。
ニューカッスルはユーロ2024で決勝進出したイングランド代表のキーラン・トリッピアー、アンソニー・ゴードンを擁するチーム。かつてレアル・ソシエダで久保建英の同僚で、昨季プレミアリーグで21ゴールをマークしたアレクサンデル・イサクも来日予定だ。
この2チームに関しては「せっかくの機会なのだが、横浜対トッテナム、神戸対ニューカッスルでマッチメークしてほしかった」という声もある。というのも、横浜とポステコグルー監督は非常に関係が深く、神戸にはかつてニューカッスルでプレーしていた武藤嘉紀がいるからだ。集客を考えると確かにその方がベターだったかもしれない。試合を組んだ関係者の思惑が気になるところだ。
シュツットガルトはかつて遠藤航が活躍したクラブとして知られる(筆者撮影)
もう1つのシュツットガルトも、昨夏まで遠藤航(リバプール)が主将を務めており、昨季終了時まで伊藤洋輝(バイエルン)と原口元気も在籍したが、今は3人揃ってチームを離れてしまっている。しかもブンデス2部得点ランキング2位だったセール・ギラシもボルシア・ドルトムント移籍濃厚と言われ、日本のファンにとってはやや興味が薄れつつある。ブンデス1部にステップアップが予想される田中碧(デュッセルドルフ)が加入するなど、何らかのサプライズがあればいいのだが…。
3チームともに世界トップ基準を目の当たりにできる貴重なチャンスではあるため、できるだけ多くの人に足を運んでほしいところ。その動向が注目される。
やはり気になる伊東純也。スタッド・ランス4試合は現状確認のチャンス!
日本のサッカーファンにとって、一番気になるのはスタッド・ランスかもしれない。今年1月のアジアカップ(カタール)期間中の週刊誌報道によって日本代表離脱を余儀なくされた伊東純也が久しぶりに国内の表舞台に登場するからだ。
彼に加えて、日本代表10試合8ゴールという驚異的な数字を叩き出している中村敬斗も来日予定。ただし、彼の場合はドルトムント移籍の噂があり、もしかすると7月下旬の時点ではいないということも考えられる。
それでも伊東の現状がどうなのか、新シーズンに向けてどこまで仕上がっているかというのは日本サッカー界の関心事。先ごろ書類送検された性加害事件が不起訴になる公算が高まったという報道もあり、9月からは日本代表に復帰して2026年北中米ワールドカップアジア最終予選を戦うかもしれない。そういう時だからこそ、伊東をしっかりチェックしておくことが肝要なのだ。
スタッド・ランスの試合日程は、まず7月24日にジュビロ磐田戦(磐田・ヤマハスタジアム)で1戦目に挑み、27日の清水エスパルス戦(静岡・IAIスタジアム日本平)、31日の町田ゼルビア戦(町田GIONスタジアム)、8月3日のヴィッセル神戸戦(ノエビアスタジアム神戸)と合計4試合を消化することになる。その全てに伊東がスタメン出場するかは微妙だが、フィジカル的に問題がなければ、必ずピッチには立つだろう。
昨季リーグアン9位の中堅クラブがどんなレベルなのか、J1・J2クラブとの力の差がどのくらいあるのかを測る意味でも興味深いシリーズになりそうだ。