2024年の東京都心では5月、6月と暑さが続き、7月4日には、今年初となる「熱中症警戒アラート」が東京都や千葉県、神奈川県、埼玉県など東日本の太平洋側や西日本を中心とした16地域に対して発表された。
このような環境において、東京都は “今年の夏は沸とう京”をテーマに掲げ、“熱中症から命を守る行動を”を合言葉に様々な取り組みを実施している。
この取り組みの一環として、2024年6月21日から東京都防災マップ上に、クーリングシェルターとTOKYOクールシェアスポットの表示を開始している。
「表示情報」の「熱中症対策施設」内のクーリングシェルターとTOKYOクールシェアスポットをクリック。地図の縮尺を1km以下までズームすると、該当箇所に下記アイコンが表示される。
改正気候変動適応法に基づき新たに「熱中症特別警戒情報」を創設
熱中症による死亡者の増加傾向や今後の極端な高温の発生リスクも増加すると見込まれること等を背景に、令和6年4月に施行された改正気候変動適応法では、「熱中症特別警戒情報」を創設するとともに、市町村長が冷房設備を有する等の要件を満たす施設を「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」として指定することを定めている。
■熱中症特別警戒情報に関して
・気温や湿度などから算出する「暑さ指数」の予測値が、すべての観測地点で35 以上となった都道府県を対象に、環境省が発表。
・「暑さ指数」が33 以上と予測される地域に発表される「熱中症警戒アラート(2021 年から全国で本運用開始)」の一段上に位置づけられ、「人の健康に重大な被害が生じるおそれがある過去に例のない広域的な危険な暑さ」を想定。
・特別警戒アラートが発表された都道府県では、熱中症を予防する行動の徹底のほか、自治体は公共や民間のエアコンが効いた施設を「クーリングシェルター」としてあらかじめ指定し、発表された場合に開放することが求められている。
※2024.7.8時点では特別警戒アラートの該当となる暑さとなった事例はない。
クーリングシェルター&TOKYOクールシェアスポットが東京都防災マップに新たに表示
前述のように2024年6月21日から東京都防災マップ上に、クーリングシェルターとTOKYOクールシェアスポットの表示を新たに開始した。
■クーリングシェルター
冷房設備等を有し、誰でも休息できる「クーリングシェルター」を設置、高齢者にも利用頂ける施設だ。特別警戒情報が発表された際に開放、または可能日等に開放される。
アイコンをクリックすると詳細情報が表示される。
■TOKYOクールシェアスポット
一般の人が気軽に集まり涼むことのできる「クールシェアスポット」を設置。
環境局では家庭でのHTTの取り組み<電力を(H)へらす・(T)つくる・(T)ためる>の一つとして、複数のエアコン使用をやめ、なるべく1 部屋に集まる工夫をしたり、公園や図書館などの公共施設を利用したりすることで涼をシェアするなど、1 人あたりのエアコン使用を見直す「クールシェア」を呼びかけている。
※一般的に、クーリングシェルターは熱中症予防を目的として提供される休憩場所で、クールシェアスポットは省エネを目的として、冷房環境を共有するための場所とされますが、両者は重なる場合もある。
「Tokyowater Drinking Station」に関して
クーリングシェルター、TOKYOクールシェアスポット以外にも、公共性の高い場所に設置されている水飲栓、及びイベントの際に水道局が設置する可動型水飲栓を「Tokyowater Drinking Station」として都内約900箇所に展開している。
<「Tokyowater Drinking Station」一覧>
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/drinking_station/
関連情報
https://map.bosai.metro.tokyo.lg.jp/?
構成/清水眞希