心臓弁膜症が見逃されてしまう理由
多変量回帰分析からは、臨床的に重要な心臓弁膜症と関連する唯一のパラメーターは年齢であることが示された(1歳増加するごとの心臓弁膜症発症のオッズ比は1.07、P<0.001)。臨床的に重要な心臓弁膜症を1例診断するために必要な心エコー検査の実施件数は60歳以上の人の場合は42回、75歳以上の人の場合は15回であることも示された。
心臓弁膜症の診断に必要な検査の主体となっているのが心エコー検査だが、心エコー検査は、「通常、患者から症状の訴えがあった場合、あるいは診察時に異常な心雑音が聞こえた場合にのみ実施される」とVassiliou氏は言う。その上で、「このことは高齢者にとって厄介な状況になり得る。
というのも、軽い症状があったとしても、高齢者では身体活動量や運動機能の低下によってそれが分かりにくくなり、見逃されてしまう可能性があるからだ」と同氏は付け加えている。
Vassiliou氏は「この研究によって、高齢者の多くが、無症状でも心臓の弁に問題を抱えていることが明らかになった。もし心臓病を示唆するような新たな症状や兆候が現れたら、かかりつけ医に相談することを勧める」と話している。
研究グループは、今後は高齢者における心臓弁膜症の正確な有病率や、この疾患を高い精度で検出して管理できるようにするための、より優れたスクリーニング方法について、さらなる研究で明らかにする必要があるとの考えを示している。(HealthDay News 2024年6月28日)
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(参考情報)
Abstract/Full Text
https://academic.oup.com/ehjcimaging/advance-article/doi/10.1093/ehjci/jeae127/7698004?login=false
構成/DIME編集部