DIME MAGAZINE
日経平均株価と並んで、国内を代表する株価指数として知られる東証株価指数（Tokyo Stock Price Index、略称TOPIX）。このTOPIXについて、少しおさらいしておくと、日経平均が東京証券取引所プライム市場に上場する225銘柄を対象としているのに対し、TOPIXは同市場の原則全銘柄が対象（2026年10月に銘柄入れ替え予定）。1968年1月4日時点の時価総額を100として算出されている。
一方、S&P500は米国株式市場を代表する株価指数で、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス（S&P Dow Jones Indices）が算出。構成される500銘柄の時価総額を指数化したものだ。この500社で米国株式市場の時価総額の約80％を占めると言われており、市場全体の動向を知ることができる。
今回は、そんな日米の株価動向に加え、企業決算に関するリポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川 雅浩氏から届いているので、概要を紹介したい。
日経平均とTOPIXは直近で最高値を更新、S&P500指数とナスダックも連日最高値を更新中
日経平均株価は2024年7月9日、3営業日ぶりに過去最高値を更新、終値で初めて4万1000円台に乗せた。また、東証株価指数（TOPIX）も7月4日、34年7カ月ぶりに過去最高値を更新した後、高値圏での推移が続いている。
7月に入り、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、アドバンテストなどの値がさ株や、ソフトバンクグループ、キーエンスなどの大型株の上昇が、日経平均とTOPIXをけん引している。
一方、米国株も堅調な動きがみられ、S&P500種株価指数とナスダック総合株価指数は7月9日まで6営業日連続で過去最高値を更新している。
7月に入ってからも、米ハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」はそろって上昇しており、両指数の押し上げ要因とみられる。
なお、ダウ工業株30種平均は、構成銘柄のユナイテッドヘルスやマクドナルドなどのマイナス寄与が大きく、相対的に出遅れている。
■日本は4-6月期決算に注目、進捗率が25%超えてくれば業績予想の上方修正期待は高まるだろう
日経平均とTOPIXが最高値を更新した背景の1つに、今月下旬から本格化する4-6月期の企業決算に対する期待が高まっていることがあると思われる。
TOPIXを構成する3月期決算企業（金融とソフトバンクグループを除く）による今年度の業績予想は、純利益が減益となっており、また、ドル円の想定為替レートは主要企業平均で1ドル=約144円と、かなり控えめな内容だ。
足元の円安地合いを踏まえれば、輸出企業などの業績予想に十分な上方修正余地はあり、実際、市場が予想するTOPIXの12か月先1株あたり利益（EPS）は堅調な推移が続いている（図表1）。
4-6月期決算の段階で、早々に上方修正を行う企業は少ないと思われるが、今年度の業績予想に対する4-6月期実績の割合（進捗率）が、25%を大きく超えてくれば、次の中間決算での上方修正期待は高まると考えられる。
■米国では来年も好業績が続く予想、日米とも業績に関する材料が先行きの株価を支える見通し
米国株について、最近発表された米経済指標では、雇用や物価の伸びの落ち着きがみられ、9月利下げ開始の見方が強まりつつあるなか、長期金利も比較的落ち着いた推移が続き、これらが米ハイテク株の支援材料になっていると考えられる。
米国でも今週から4-6月期決算が始まるが、S&P500種株価指数を構成する主要500社のEPSについて、市場では前年同期比10.1%の増益が予想されている（図表2）。
同じく主要500社のEPSは、2024年通年で前年比10.6%、2025年は14.5%の増益が見込まれており、特にハイテク株が含まれる通信サービスや情報技術は高い利益の伸びが予想されている。
このような良好な業績見通しが、今後の米国株を支え、ひいては日本株にも追い風となる可能性は高いとみられる。
また、日本株については、前述のとおり、企業の業績予想の上方修正期待が、当面の下支え要因になると考える。
◎個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
構成／清水眞希
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