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顔の皮膚温を測ることで糖尿病を診断できる可能性

2024.07.17

顔の皮膚温で糖尿病を診断?

顔の皮膚温を測ることで、糖尿病や高血圧、脂肪肝などの有無が分かるのではないかとする研究論文が発表された。これらの病気がある人は顔面の特定の部位の皮膚温が上昇しており、そのメカニズムとしては慢性炎症の関与が想定されるという。北京大学(中国)のJing-Dong Jackie Han氏らの研究によるもので、詳細は「Cell Metabolism」に7月2日掲載された。

Han氏らの研究グループではこれまで、顔の画像データを用いて、老化と顔付きの変化との関連を研究してきている。同氏は、「老化は自然なプロセスではあるが、それがどの程度進行しているのかを客観的に評価して知ることで、生活習慣を改め疾患のリスクを遠ざけるのに役立つ可能性がある」と話す。一方、深部体温が加齢とともに低下することはこれまでにも知られていたが、顔の皮膚温が加齢によってどのように変化するのかは明らかでなく、また疾患との関連も明らかにされていなかった。

今回の研究で同氏らは、21~88歳の成人2,811人の顔面サーモグラフィー画像データを用いて、年齢や健康状態との関連の有無を検討。人工知能(AI)プログラムを使い、皮膚温に変化が生じる部位とそのパターンを特定した。

鼻、頬、眉毛の皮膚温に表れた変化は?

結果について、まず年齢との関連を見ると、性別にかかわらず、鼻、頬、眉毛の部分の皮膚温が加齢とともに低下していくことが示された。

このような変化は女性では50歳前後から始まり、男性では60歳前後から始まるという違いが観察された。次に、健康状態との関連を見ると、糖尿病や脂肪肝などの代謝障害のある人は、健康な人に比べて目の周りの皮膚温が高いことが分かった。高血圧の人では頬の皮膚温が高かった。

これらのデータに基づいて研究グループは、顔面の部位別の皮膚温に基づく「サーモフェイス加齢時計(顔皮膚温年齢)」という指標を開発。研究グループがそれまで行ってきた、顔の画像データの解析では慢性疾患の影響を検出することはできなかったが、顔皮膚温年齢ならそれが可能になるのではないかとのことだ。なお、研究者らは、慢性疾患に伴う顔面皮膚温の上昇は、疾患に関連している慢性炎症によって引き起こされるのではないかと考えている。

この研究に続いて、健康的な生活スタイルに変更することによって、顔皮膚温年齢が変化するか否かが検討された。年齢が18~49歳の30人を対象として、そのうち23人には縄跳び(1日に10分・800回以上)をしてもらい、ほかの7人は特に何もしない対照群とした。2週間後、縄跳びをした群では顔皮膚温年齢が約5歳若返っていたが(P=0.025)、対照群は有意な変化がなかった。

これに続くさらなる研究のステップとして、研究グループは現在、顔の皮膚温を測定することで睡眠障害や心疾患など、ほかの病気の診断への利用が可能かどうかを検討することを計画している。Han氏は、「顔の皮膚温を診断に用いるという方法は、臨床において疾患の早期発見と早期介入に結びつく、大きな可能性を秘めている」と語っている。(HealthDay News 2024年7月3日)

https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/facial-temperatures-might-help-docs-diagnose-diabetes-fatty-liver-disease

Copyright (C) 2024 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(24)00188-8

構成/DIME編集部

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